将来の不安に備える、株式投資戦略の基本とは

将来の不安に備える、株式投資戦略の基本とは

まずは投資戦略(投資スタンス)を決めよう

株式投資をスタートする際、まずは投資スタンスを決めましょう。投資スタンスが決まっていない、もしくはブレてしまうことで、本来であれば回避できた損失を被ったり、得られた利益を逃してしまうことに直結するためです。投資スタンスを決めずに漫然と取引引をすれば、常に迷いが生じてしまい、「株価の上下がいつも気になって仕事が手につかない」ということになりがちです。

しかし、投資スタンスが明確になっていれば、株価が上下しても「売るのはもう少し利益が乗ってから」「損失を確定するラインまではまだ我慢」と、心に余裕を持って構えていられます。

また、どのような基準で投資をしているかが明確なので、 利益や損失が出たときの原因についても振り返って考えることができ、そこで得た反省を次の投資に生かせます。

今回は株式投資の戦略とスタンスについてみていきましょう。

4つの基準で投資スタンスを考える

株式投資をこれからやろうとする人にも、現在やっている人にとっても、大変重要なので意外と意識されていないことがあります。それは「どんな投資スタンスで運用を行うか」ということです。投資スタンスとは、どのような銘柄をどのようなタイミングで買い、どの程度の期間にわたって保有し、どのくらいの利益·損失で手終いするかといった、運用方針のことです。

具体的には、以下のようないくつかの基準で考えます。

図解:投資スタンスの四つの基準

[1.投資期間]

「1回の取引を、どれくらいの期間をかけて行うのか」を検討します。具体的には以下の4つに分類されます。

デイトレード

一日のうちに売買を完結させ、ポジションを翌日まで持ち越さないスタイルをさします。実際には数秒から数分、数十分で売買を繰り返します。ごく短期間の売買で、わずかな利ざやを稼ぐ取引のことを特に「スキャルピング(薄く頭皮をはぐの意味)」ともいいます。コンピュータによるシステムトレードでは、1000 分の1秒単位で売り買いを繰り返すこともあります。

スイングトレード

数日間程度から、中期投資(またはポジショントレード)数週間~数カ月間程度のトレードをさします。なお、数ヵ月単位のトレードは中期投資と呼ばれることもあります。

長期投資

1年以上にわたるトレードを指すことが多いです。5年、10年、数十年も先を見据えて投資する人もいます。

[2.分析手法]

「どんな分析手法を基準に取引を行うか」を検討します。大きく以下の2つに分けられます。

ファンダメンタルズ分析

企業の業績や動向、景気全体の動き、経済指標などをもとに株価を予想する分析手法です。

テクニカル分析

チャートのパターンをもとに株価を予想する分析手法です。

[3. 投資金額]

「どのくらいの投資金額で株を買うか。また投資資金を、多数の銘柄に分散させるか、少数の銘柄に集中させるか」を検討します。

[4. 投資対象]

小型株か大型株か。たとえば、東京証券取引所では一部上場のおよそ1700 銘柄を、流動性や時価総額に応じて小型·中型·大型に分類しています。また、一般的には時価総額の大きさで分類することもあります。小型株と大型株では値動きや流動性、得られる情報の量などに違いがあり、自分がどの規模の銘柄に投資するのかを意識する必要があります。ちなみに、この小型·中型·大型の分類と、株を買う際に必要な最低投資金額とは、関連はありません。数万円で買える大型株もあれば、数十万円する小型株もあるということです。

個人投資家が成功しやすい投資スタンスとは

株式取引では、アマチュアである個人投資家がプロである機関投資家と同じ土俵の上で戦うことになります。個人投資家ならではの強みを生かした投資スタンスをとるべきでしょう。

個人投資家の強みを生かす

投資スタンスの基準を知ったところで、次は、自分がどんなスタンスで投資を行うか考えてみます。

銘柄選定にかけられる時間や、どれくらい増やしたいかという目標、手元資金の額などを考慮し、自分に合っていると思われる投資スタンスを決めるといいでしょう。ここでは、個人投資家が最も取り組みやすく、また強みを生かしやすいと思われる投資スタンスについて解説します。

→投資期間:中期トレード

→分析手法:ファンダメンタルズとテクニカルの組み合わせ

→投資金額:1銘柄は投資資金全体の5分の1以下で、複数銘柄に分散

→投資対象:小型株(時価総額300億円以下のもの)

の4つです。順に説明していきます。

投資期間:中期トレード

デイトレードに代表される短期トレードは、市場が開いている間中、株価の動向を注視している必要があります。仕事を抱えている一般の個人投資家にとっては難しいでしょう。長期トレードは、 これだと思う企業の株を買い、あとはその企業の成長を信じてじっくりと見守るだけなので、個人投資家でも無理なくできる手法といえます。「その会社を応援したいから株を買う」という、株式投資本来の投資スタイルともいえるでしょう。

しかし、買った株が何年にもわたって低迷を続ける可能性もあり、それでも我慢して持ち続けることは心理的に厳しいものがあります。したがって個人投資家にとっては、必要に応じて業績や株価をチェックし、その時々で戦略を修正する中期投資が適しているといえるでしょう。

分析手法:ファンダメンタルズとテクニカルの組み合わせ

短期トレードではテクニカル分析が重視され、長期トレードではファンダメンタルズ分析が重視される傾向にあります。デイトレードではテクニカルしか参考にしないという極端なケースもあります。

しかし、このどちらも有益な情報です。両方のいいところを組み合わせて使ったほうがいいでしょう。中期トレードでは、ファンダメンタルズ分析に重点を置きつつ、テクニカル分析で売買タイミングを計るという使い方をします。

投資金額: 1銘柄は投資資金全体の5分の1以下

複数銘柄に分散1銘柄に集中させれば大きなリターンを狙えますが、その分リスクも高くなります。複数の銘柄に分散させたほうがリスクを減らせます。ただし分散させすぎると、得られるリターンも分散してしまうので、銘柄はある程度絞ったほうがいいでしょう。

投資対象:小型株(時価総額300億円以下のもの)を中心に

大型株の特徴は、流動性(株が売買される量)が高く値動きが緩やかとなります。また業績も安定しています。初心者にとっては、大型株のほうが安心して取引できるかもしれません。反対に小型株は、流動性が低い銘柄も多く、値動きは軽いのが特徴。業績上方修正やニュースなどの材料に反応し、株価が跳ね上がることがあります。

個人が強みを生かせるのは大型株より小型株です。というのも、大型株の取引はプロである機関投資家などの主戦場だからです。プロが常に企業の動向をウォッチし、先に情報を得て取引をするのが大型株です。個人投資家は、どうしても後れを取ることになります。

一方、小型株は、運用する額の大きい機関投資家にとっては、頻繁に取引はできず、情報収集をする対象にもなりません。そういった小型株のなかから、「業績がよいのに割安なまま放置されている銘柄」を探して買い、大きな値上がり益を期待するという手法は、個人の強みを生かした投資スタイルといえます。

いかがでしたでしょうか。投資の中でも最もポピュラーな株式投資を学ぶことで、自身の金融リテラシーを大いに高めつつ、資産形成に繋げることができます。資産運用に興味のある方は少額からでもいいので、一歩ずつ無理のない範囲でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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