社長の人となりや経営資質は企業にも少なからず影響を与える。先見性や実行力、交渉力、投資のうまさなどに注目したい。

経営者の実行能力や経営方針を見る

経営者が優秀かどうかも、決算書には表れない重要なポイントです。経営者にはビジネスや経済の先行きを見通す先見性、目標を達成していく実行力、取引先との交渉力、投資の巧みさなどが求められます。投資の巧みさは比較的判断しやすい要素です。景気の過熱期に投資を避け、不況の時に投資を活発化している経営者は優秀だろう、その逆はあまり優秀ではないかもしれない、と判断できます。また、顧客主義、社会性、経営哲学などを重視しているかどうかも重要です。金儲け第一主義がにじみ出ている企業は持続性が低く、最悪のケースでは破滅的な末路を迎えることもあります。一方、しっかりとした経営哲学を持ち、顧客主義や社会貢献を志向した経営を行っており、かつ利益を生み出すことがうまい経営者がいる企業は、持続性·成長性が高いといえます。経営者の能力を判断するのはなかなか難しいのですが、過去の経営者の発言を調べれば、 「どれくらい有言実行できているか」は事実としてチェックできます。

経営者の“話し上手”には要注意

経営者に関して注意したいのは、「巧みな話術にだまされない」ということ。上場企業のトップになるような人は当然ながらきわめて優秀な人で、プレゼンテーション能力も優れています。投資家向け説明会などで経営者の話を聞くと、「この会社は将来有望に違いない!」と思わされてししかし話がうまいのと企業を成長に導くことは別問題です。なかにに上場すること自体がゴールで、あとは低迷期に入ってしまうような、株主を重視した企業も多くあります。一方、ソフトバンクの孫正義社長や、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長など、プレゼンテーションが巧みで大風呂敷を広げるタイプでも、言ったことはきちんと実現するので高い評価を得ている経営者もいます。経営者の魅力に惑わされることなく、本当に成長が実現できるかどうかをきちんと確認しましょう。そして経営者の話を聞くときには、以下のような点に注意しましょう

  • 株価をつり上げるために無根拠に大風呂敷を広げていないか。

  • リスク要因などをきちんと説明しているか。

  • 会社の独自の強みを生かして、本業に集中している姿勢はあるか(強みに基づかない本業以外への事業拡大は疑うべき)。

外部的環境を見る(五つの競争要因)

 

企業は経済の状況や市場の動向、業界の環境によっても常に大きく左右されます。外部環境を把握しておくことは、企業の将来性を予測するのに役に立ちます。

ライバルの存在や取引先との関係は?

企業の経営状態を考えるには、外部環境について考える必要があります。外部環境として大きいのは景気サイクルですが、より直接的に影響を与えるのは、業界内での競争環境です。業界構造を分析する基準としては、経営学者マイケル.E·ポーターの提唱する「5つの競争要因(ファイブ·フォース)」が知られています。「5つの競争要因」のポイントを簡単に解説します。

①業界内での競浄状況

たくさんのライバル企業がし烈な値下げ競争を繰り広げている状況は、経営者にとって最も厳しい状況です。その企業の強さが際立ち、業界内での競争があまりない状況が理想的です。

②買い手の交渉力

自社の製品やサービスを買ってくれる相手の力がどれくらいあるかということ。その企業と買い手の関係において、買い手が圧倒的に弱い場合には、買い手側が値下げ交渉力を持つことになります。強い買い手企業と、弱い下請け企業の関係などがその典型です。理想的なのは、買い手との関係で自社の力が強い状況です。

③売り手の交渉力

自社と売り手(仕入れ先企業)との関係において、どちらの力が強いのかということです。たとえば、原料を供給する企業が独占や寡占状態で、しかもその原料の需給がひっ迫しているようなケースでは、売り手の力が強くなり、売り手が価格をコントロールするようになります。そして仕入れ価格を上げられても対抗できない状態となります。逆に売り手の交渉力が弱く、自社のほうに価格コントロール力がある状況が理想です。

④新規参入の脅威

その企業や業界にどれくらい高い参入障壁があるか。とうてい新規参入者が出てきそうもないという状況が理想的です。

⑤代替品の脅威

業界内での競争とは別に、その製品が別の製品にとって代わられる脅威がないか警戒することも重要です。

 

いかがでしたでしょうか。投資の中でも最もポピュラーな株式投資を学ぶことで、自身の金融リテラシーを大いに高めつつ、資産形成に繋げることができます。資産運用に興味のある方は少額からでもいいので、一歩ずつ無理のない範囲でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。