今更聞けない景気指標と金融緩和の基礎知識とは

今更聞けない景気指標と金融緩和の基礎知識とは

今回は景気指標や金融緩和、為替など世の中の投資ファクターになりうる情報リソースの見方及びその基本的な知識を抑えておきましょう。

 

使える景気指標は?

日経新聞などを読むと実にさまざまな経済指標が掲載されているが、どれを読むべきかは判断しづらい。株式投資に役立つ国内外の基本的な指標を知っておきましょう。

 

その国の経済規模や景気動向を表す「GDP」

骨気に関係する指標として最も有名なのは「GDP (国内総生産)」です、GDP とは、1年間に国内で新しく生み出された生産物やサービスの総額のこと。その国の経済力を表す目安として用いられます。GDP は1年ごとの確報値のほか、3ヵ月ごとの速報値が内閣府により発表されます。たとえば1-3月期の結果は5月中旬に、4-6月期の結果は8月中旬に発表されるといったスケジュールです。景気動向を把握するには、GDPが1年間でどのくらい伸びたかを表す「実質 GDP 成長率(年率)」をチェックしましょう。GDP が増え、高まることは、景気が上向きになっていることを示しています。

 

経済成長率が景気を先取りする指標

またGDP はわかりやすい指標ですが、発表回数が年4回と少なく、また集計してから発表されるまでにタイムラグがあります。株式投資をするうえでは、「景気を先取りする先行性が高く」「集計してから発表までが早く」「発表頻度が多い」といった指標のほうがお役立ち度は高いといえます。以下にそんな特徴を備えた指標を挙げました。

 

景気ウォッチャー調査「先行き判断 DI」(日本)

景気ウォッチャー調査は内閣府が算出する景気動向調査で、百貨店の売り場担当者、タクシー運転手、ホテルマン、コンビニ店長なと、消費動向を敏感に観察できる業種·職種の人に聞き取り調査を行い、指数化したもの。毎月25日~月末までの調査結果が約1週間後に公表されるため、景気動向をかなり敏感に察知することができます。「現状判断 DI」と「先行き判断 DI」があり、特に、2~3ヵ月後の景気の先行きを予測する先行き判断 DI が株式投資にとっては重要。50を上回れば全体として景気がいい状態とされます。

 

非農業部門雇用者数(米国)

アメリカの経済指標で最も注目されています。アメリカ国内の非農業部門に属する事業所の給与支払帳簿をもとに集計された雇用者数を指します。雇用者数が増えれば増えるほど、景気が良くなっていると判断されます。毎月第1金曜日に発表され、統計調査の対象が幅広いこと、比較的発表時期が早いことから、アメリカ経済の動向を知る指標として注目されています。

 

ISM製造業景気指数(米国)

メーカーの購買担当者にアンケート調査を行い、新規受注や生産高、雇用などの動向を指数にまとめたもの。景気の先行きを示す指標の一つ。各月において最も公表されるのが早い経済指標で、景気動向を見極めるうえで重要な役割を果たしています。アメリカの経済指標のなかでは最も早く発表される(翌月第1営業日)ことから、景気の先行指標とされ、注目度の高い指標の一つです。 指数が50%を超えれば景気拡大、下回ると景気後退を示唆します。

 

製造業講買担当者指数 (PMI) (中国など)

アメリカのISM製造業景気指数の各国版であり、各国の先行指標として注目されます。 50 を超えると景気拡大を示し、50 未満だと景気役退を示します。 日本やアメリカ、ューロ圏など世界の多くの国で用いられています。 特に中国市場では PMI の注目度が高いといわれています。

 

 

金融政策と株価

中央銀行はお金の流れをコントロールすることで、経済活動が落ち込みすぎたり加熱しすぎたりしないようにしている。株価に与える影響も大きい金融政策には注目しておきましょう。

 

金融政策で相場は大きく動く

お金は経済の血液のようなもの。世の中のお金の巡りが良いと経済は元気になり、反対にお金の巡りが悪いと経済も元気がなくなります。金融政策は世の中のお金の巡る量を調整する政策といえるでしょう。日本なら日銀、アメリカなら FRB、欧州なら ECB、中国なら中国人民銀行といったその国の中央銀行が主役となり金融政策を行います。金融政策の方向は大まかには次の2種類があります。

○金融緩和策→お金の量を増やす→景気を良くする

○金融引き締め策→お金の量を減らす→景気の過熱を防ぐ

経済に元気がないときは金融緩和を行い、景気が過熱気味になると金融引き締めを行います。金融政策はマーケットから大きな注目を集めています。日本銀行の金融政策運営の基本方針は、毎月1~2回開かれる「金融政策決定会合」で決まり、その内容はニュースで伝えられます。基本的には金融緩和策が実施されると株価は上昇し、金融引き締めでは株価は下落する傾向にあります。為替トレンドにも大きな変化が起こることがあります。金融政策決定会合の前後には株価動向に注意しておくべきでしょう。

 

金融政策の手段

基本的には短期金利(金融政策の手法にはいくつかありますが、短いお金の貸し借りにつく金利)の上げ下げによって行われます。

○利下げをする一→お金が借りやすくなる→お金の循環が良くなる

○利上げをする一→お金が借りづらくなる→お金の循環が悪くなる

たとえば短期金利を引き下げることで、金融機関の貸出金利も下がるので、企業がお金を借りやすくなり、生産や設備投資が増え、また家庭でも借り入れや出費が増えます。お金がたくさん出回るようになることで、経済が活性化されるわけです。

図解:金融緩和イメージ

ところが日本ではこの数十年間、短期金利はゼロ近くで推移しており金利をさらに下げるだけでは効果は限定的であるとされています。そこで現在は金融政策の目標を短期金利からマネタリーベースに変更しています。お金の流れは日本銀行が市内の銀行(私たちが普段取引している銀行)にお金を供給し(この時のお金の量がマネタリーベース)、そのお金を銀行が何倍かにふくらまして市中に供給する(この時のお金の量がマネーストック)という形になっています。そのために日本銀行は銀行から国債を大量に買い取って、その代金を支払うことでマネタリーベースを増やすという操作を行っています。そのことによって、マネーストックを増やして、世の中全体のお金の巡りを良くして景気を良くしようとしています。ただし、実際には、マネタリーベースが増えても、マネーストックがあまり増えないケースもあります。しかし、いずれにしてもこのような大胆な金融政策や異例の金融政策がとられると、過去の事例では株価は上昇するケースが多いです。ただ、実体経済がそれほど回復しないまま株価だけバブル的に大きく上昇してしまうと、それにはあまり持続性はなく、その後株価が大きく下落してしまう、というケースもたびたび見られます。また株価以外にも為替を確認する必要も場合によってはあるので逐一そちらのチェックもする習慣を日々から心がけてください。

 

いかがでしたでしょうか。投資の中でも最もポピュラーな株式投資を学ぶことで、自身の金融リテラシーを大いに高めつつ、資産形成に繋げることができます。資産運用に興味のある方は少額からでもいいので、一歩ずつ無理のない範囲でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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