金融規制緩和で進むインシュアテック

金融規制緩和で進むインシュアテック

金融庁が保険改革に本腰

金融庁は保険会社の業務範囲における規制の見直しを進めており、従来の出資ルールを改め、IT企業などへの全額出資を新たに認める方向で調整が進んでいます。

これまで保険会社が事業会社へ出資する場合はルール上、原則として議決権ベースで10%までしか株式を持てないという背景がありました。銀行においては、法律を改正済みで、保険会社も平仄を揃えるのが狙いと考えられます。

金融庁はフィンテックの普及をにらみ、金融機関が持つ膨大な取引データを生かした新しい金融サービスの創出を促す方針と言えるでしょう。

インシュアテックの台頭が今後本格化か

従来の保険ビジネスにテクノロジーを組み合わせた新しいビジネス形態、インシュアテックに注目が集まっています。情報技術が進展し、銀行や保険会社といった既存の金融機関でもデータの活用が急務になっていることも後押ししているでしょう。

保険会社の出資に関する規制が緩和されることで、先進的なベンチャー企業との提携や子会社化が進み、新たな商品やサービスの開発をしやすくなります。大手保険会社は各社ともAIやビックデータをはじめとした先端技術を獲得しようと国内に限らず、海外のベンチャー企業などとも提携を進めています。

大手保険会社の提携事例

①オプティクス社とソニー損保の提携事例

オプティクス社が開発した運転手の挙動を評価するシステムを開発し、これをソニー生命が採用、保険料のキャッシュバックサービスに活用されることが発表されました(以下、プレスリリース一部抜粋)。

ソニー損保の日本初の新しいタイプの自動車保険にオプテックスの運転挙動センシング技術が採用

オプテックス株式会社のドライバーの運転挙動を判別するセンシング技術が、ソニー損害保険株式会社から2015年2月中旬に発売開始予定の新しいタイプの自動車保険「やさしい運転キャッシュバック型」に採用されました。

この新しいタイプの自動車保険は、運転特性を計測する専用器「ドライブカウンタ」を使用して、ドライバーの「やさしい運転」を継続的に計測し、運転状況に基づいて保険料がキャッシュバックされる日本で初めての保険商品です。当社のセンサ技術を活用しソニー損保と共同開発したドライブカウンタで、ドライバーの運転特性に応じた保険料の適用が可能となります。

②アリスマー社と三井住友海上の提携事例

アリスマー社と住友生命は共同で、危険運転の映像のみ抽出するサービスを開発し、安全運転支援サービスに追加搭載することを発表しました(以下、プレスリリース一部抜粋)。

AIを活用した「危険運転映像抽出サービス」の提供を開始

MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険株式会社は、今秋より、スマートフォンを活用した無償の安全運転支援サービス「スマ Navi」に「赤信号無視」および 「一時不停止」(以下「危険運転シーン」)といった危険運転映像だけを自動的に抽出し保存する「危険運転映像抽出サービス」を追加搭載し、企業のお客さま向けに提供を開始します。

同技術は、東京大学発のスタートアップ企業である Arithmer 株式会社と共同で開発しました。急発進、急ブレーキ等に加え、動画でしか把握できない 危険運転シーンを企業の管理者に提供することで、さらなる安全運転指導に活用いただけます。 三井住友海上は、今後も先進技術に関する研究を重ね、事故防止や安全運転に繋がる革新的なサービス の開発に努めていきます。

③ディスカバリー社と住友生命、ソフトバンクの提携事例

ディスカバリー社、住友生命、ソフトバンクはウェアラブル端末などを利用し、食生活、健康診断、歩数、心拍数などの健康増進活動をポイント化し、保険料を増減させるという仕組みを開発、「バイタリティ」という保険商品をリリースしました。(以下、プレスリリース一部抜粋)。

新規プロジェクト「Japan Vitality Project」をスタート

住友生命保険相互会社と南アフリカの金融サービス会社 Discovery社は健康増進 型保険の開発で提携し、住友生命とソフトバンク株式会社はIoTを活用した健康情報・健康増進活動に関するデータの収集プラットフォームの構築等で提携して、グローバルに評価を得ているディスカバリーのウェルネスプログラム「Vitality」を 日本市場に導入する「Japan Vitality Project」の取組みを3社共同で開始いたします。

「Vitality」は、健康を改善するツールや関連知識、それを促すインセンティブ等を提供することで、 保険加入者がより健康になることをサポートするプログラムです。このプログラムは、臨床研究や行動経済学に基づいており、生活習慣病の増加を抑える上で重要な「健康チェック」「予防」「運動」に着目し、保険加入者の健康増進への意欲を高める仕組みとなっています。

各種インセンティブが長期的に健康増進に寄与する行動変化を促すという仕組みが保険商品に組み込まれており、保険会社や保険加入者 の双方にメリットの好循環をもたらし、社会全体の健康増進にも寄与するものです。

 

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