米国金融企業業績は低調に

アメリカ金融企業は米国の減税効果が続き、全体的に好調を維持していましたが、2019年初に入ってから市場の混乱が直撃し、債券売買や起債引き受けなどの手数料収入が落ち込んでいます。また住宅ローンの不振など、アメリカ景気の変調を暗示するサインも出てきています。

2018年はアメリカ大手金融企業にとって非常に良好な収益環境でした。大型の減税は企業の経済活動や個人の消費活動を刺激、融資増に結びつき、米国利上げの継続による利ざやの拡大と合わさって利益を押し上げる結果となりました。

一方で、収益の拡大には頭打ちの兆しも垣間見れます。その一例として、市場の混乱に対する脆さ挙げられます。債券取引に伴うトレーディング収入がほぼ全社で減少しました。相場が荒れたことで株式の取引手数料による収益は増えた一方、債券や為替などではあまりの変動に、取引を敬遠する投資家が増加しました。

2019年は世界的な経済失速に要注意

不透明な要素は多く、米国の減税効果が薄まるなか、米中貿易戦争の影響が強まれば、企業の資金需要が減速しか寝ません。また市場の混乱が再燃するリスクもあります。それらの結果として、米利上げが止まれば、利ざやも広がりにくくなります。今後、米国経済の先行き不安が強まれば、好調だった世界経済の勢いが衰える可能性もありえるでしょう。