【株式会社電縁連載記事#2】ブロックチェーンの普及により起こる変化とは

【株式会社電縁連載記事#2】ブロックチェーンの普及により起こる変化とは

今回は「ブロックチェーンが世の中に普及することで、社会がどのように変化するのか」を個人や組織といった多角的な視点から調べてみました。

「個人」から見た変化

お財布がスマートに!

現在、電子マネーやクレジットカードなどが普及して、キャッシュレス化が進んでいます。電車の改札を通る人を見るとほぼ全員が交通系ICで決済していますし、2018年のJCBの調査ではクレジットカードの普及率が84%にまで昇っているという結果が出ています。さらに、近年では「〇〇ペイ」という二次元コードを使用した決済方法まで出現し、現金で支払いをする人の割合はさらに減少の一途を辿っています。

もし、ブロックチェーンが普及して仮想通貨が日常的に使えるようになれば、それらの取引に加えて、個人間での取引もキャッシュレスで行えるようになり、キャッシュレスの波がさらに加速するでしょう。また、これは従来の仕組みよりも低コストで提供することができ、事業者側の開発コストを下げられます。さらに、トークンをスムーズにやり取りすることが可能になれば、特定の商品やサービスだけでない様々な取引が行うことが出来るようになります。

キャッシュレスの話からは少し逸れますが、現金以外にも、免許証やポイントカードなども持ち歩く必要が無くなるでしょう。現在、財布の中には現金だけでなく、クレジットカードやキャッシュカード、運転免許証などのカード、お店のポイントカードと多くのカードが挟んであると思います。しかし、ブロックチェーンが普及すればそれらのカードの情報を一つの端末にまとめて提示することが出来るようになり、カードでお財布が圧迫されるなんていう事態がなくなります。

自分の好きなサービス、場所に行ける!

「これまで使い続けていたサービスに不満が出た」あるいは「別の良いサービスを見つけたから変えよう」と思ったけれども、「面倒だから」「ポイントがもったいないから」という理由でそれを変えるのを躊躇や断念した経験はありませんか。

ブロックチェーンが普及すると、そのサービスで得たトークンを別の環境のトークンに変換して別のサービスで使用できるようになります。そのため、サービスを移行することに対して面倒やもったいないと感じることが少なくなります。

また、これはサービスだけではなく、コミュニティという観点からも同じことが言えます。まず、あるコミュニティにおいて、そこに貢献をしてトークンを得られたとします。これまでは、そのトークンはそのコミュニティ内という限定された範囲内でしか使用することが出来ませんでした。しかし、ブロックチェーンが普及すれば、そのトークンはそのコミュニティ以外の場所でも使用できるようになります。そのため、これまでのように一つのコミュニティに縛られることなく、活動できるコミュニティを流動的に選び取れるようになるのです。自分が興味のあるコミュニティに参加したり、活躍できると思ったコミュニティに参加することが容易になります。

終身雇用が崩壊するのを懸念して副業する人が増えてきていますが、ブロックチェーンが普及するとその流れはさらに加速するでしょう。

「組織」から見た変化

社長がいない組織がつくれる!

資本主義の世界では、会社は社長をトップにして組織を運営しています。

ブロックチェーンを活用すると、「DAO(自律分散型組織)」という形態を使って組織の運営をすることが出来るようになります。DAOは、参加する人が各自で自主的に目的を遂行していくトップのいない組織のことを言います。社長を中心に人が集まるのではなく、プロトコルと呼ばれる規約を中心に、それに興味を抱いた人や賛同した人が集まって組織を運営します。イメージ的には、フリーランスの人が集まってなにかを作り上げていくのが近いかもしれません。

DAOでは、なにかを決めるときは、参加者全員の投票によって多数決で決められます。また、報酬は規約に従って分配されます。

本来、起業には大きなコストがかかります。しかし、DAO方式では規約を元に人が集まってくるために、会社の立ち上げや社員の採用にコストがかからないという経費削減に大きく役立ちます。

組織の変化

DAOでは、従来の会社のように、ただ所属していれば報酬が貰えるというわけではありません。報酬を得るためには、自分自身も目的に向かって努力する必要があります。そのように所属する人の意識が変わると、組織の在り方そのものも変化していきます。また、会社への忠誠心ではなく、規約に興味関心・共感した人が集まるために、その取り組みに対してモチベーションの高い人たちが必然的に集まりやすくなります。ただし、その反面、参加者の流動性も高くなります。

「経済圏」から見た変化

円やドルなどの法定通貨は、特定の地域で流通して決済ができる貨幣です。貨幣は国の管理する中央銀行で発行します。そしてその価値を担保するのは、国の信用です。貨幣の他にクレジットカードや電子マネーもありますが、これらはあくまで貨幣を決済するための手段の一つに過ぎません。

そんな中貨幣に関係なく決済できる手段として登場したのが、ビットコインです。仮想通貨は、インターネットがあれば世界中のどこでも使用することができます。貨幣を発行する中央銀行のようなものが存在せず、ルールに則って自動的に発行されていきます。そして、需要がある限りその価値が失われることはありません。

現在、仮想通貨が使用できる店舗やサービスが増えてきています。しかし、まだ店舗やサービスを提供する側は法定通貨で受け取っているのが現状です。これがもし仮想通貨で取引されるようになれば、まったく新しい経済圏として広がりを見せるでしょう。

「価値観」から見た変化

他のサービスに移りやすくなる!

現在、ほとんどの事業者はユーザーに継続的に自社のサービスを使ってもらうために、他のサービスに行きにくくするようなサービスを提供しています。ユーザーは、それに従って使用しなければなりません。

しかし、ブロックチェーンはその構造を容易に切り崩すことが出来ます。個人の認証は秘密鍵というデータに紐づいているために、複数のサービスに相互性があり、他サービスに移りやすくなります。データを維持しながら移れるため、評価や信用を資産として形づくることが出来るようになります。

このようにして、ユーザーはさまざまなサービスを乗り換えながら、評価や信用を形作るようになります。

良いサービスが生まれやすくなる!

ユーザーが他サービスに移動しやすくなるということは、事業者にとっては利用者の囲い込みがしにくくなるということです。そうなると、事業者はサービスを継続して提供していくために工夫を凝らしてモノやサービスを作る必要性がでてきます。そうなると、必然的に良いサービスが開発されていくようになります。開発の努力をしなくても継続的にユーザーがお金を落としてくれる従来のシステムは、ブロックチェーンが普及した世界では成立しづらくなります。

「お金が全てではない」という理想論が現実に?

「お金が全てじゃないよ」「お金で買えないものもある」

よくそんな言葉を耳にします。しかし、資本主義の世の中では、人々はお金をたくさん持つことを追求しがちであり、実際ほとんどのものがお金で買えてしまいます。そして、それ故に金銭関係のトラブルも多く起こっています。最悪、命まで奪ってしまうケースもあります。お金の持つ力はそれほどまでに恐ろしいのです。

ブロックチェーンは、暗号技術によって不確実性を排除しつつ、不正や犯罪が経済的に不合理になる世界を創ります。社会に貢献した人が全体から信用され、報酬としてトークンを与えられるようになるのです。

P2Pの事例

ビットコイン

ビットコインを送金する際に発行された取引は、ハッシュ値が計算されます。そして、ブロックチェーンのブロックにデータが書き込まれます。この時、P2Pを使ってそのデータを参加者全員に公開しています。こうすることで、記録されたデータは残り、改竄されなくなります。

LINE

日本において、大多数の人がスマホの中に入れているであろうLINE。実は、これにP2Pの技術が使われています。

LINEで送付できる写真や動画などのデータファイルは、運営のサーバーを介する必要がなくユーザー同士で直接共有できます。そのため、運営は大規模なサーバーを用意する必要がなく、コストを大きく抑えられています。私たちが無料でLINEを利用できているのもそのおかげかもしれません。

Skype

チャットと通話ツールとして、LINEよりも前から流通しているSkype。これも、LINEと似たような方法でP2Pの技術が使われていました。

ユーザーの情報などの管理は、中央にあるサーバーでデータの管理を行なっています。ただ、通話などのユーザー同士のやりとりが必要になる部分ではP2Pが採用されていました。

しかし、現在はマイクロソフト社に買収されて、P2Pの通信方式は利用されていないそうです。

Torrent

Torrentは、ユーザー同士でファイル共有が行えるソフトウェアです。ユーザーが撮影した動画を他のユーザーと自由に共有ができるので、非常に便利なソフトウェアです。

しかしながら 映画や音楽など著作権に関わってくるものも自由に共有できてしまうために違法アップロード・ダウンロードが横行し、問題視もされています。

 

P2Pやブロックチェーンの普及した世の中は、ユーザー側からしたら非常に魅力的です。私自身、サービスをいろいろ利用していますが、「このポイントが他のサービスでも使えたら…」と幾度となく思ったことがあります。それが他のお店でも使えるようになる世の中が来るようであれば、すごく便利になると思いますし、歓迎します。

しかし、事業者側からしたらどうでしょうか。現在のほとんどの会社の在り方は、中央集権の仕組みで利益を得ています。そういう企業からしてみれば、利益が出なくなるような非中央集権の世の中になるのを望みはしないでしょう。

P2Pやブロックチェーンを普及させるためには、多くの課題が残されているように感じました。

記事提供:株式会社電縁様

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