ふるさと納税×SDGsをテーマに、自治体の地域課題解決の資金をふるさと納税で調達する「ガバメントクラウドファンディング」を連載で紹介します。企業やNPOなどが自治体と連携し、SDGsや地方創生に取り組むヒントとなれば幸いです。

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SDGs17の目標「1.貧困をなくそう」が、本コラム最終となる第4弾目のテーマです。

最終回ということで、私がこの仕事に携わるきっかけとなったテーマでの取り組みを紹介します。

「貧困をなくそう」。この言葉を聞いて、行政によるひとり親家庭の支援や、NPOによる子ども食堂の運営などを連想する人が多いのではないでしょうか。

かくいう私もその1人です。

ガバメントクラウドファンディング(GCF)で地域課題解決のプロジェクトに携わるようになるまで、貧困問題はどこか「行政」や「NPO」が支援するイメージをもっていました。

このイメージが覆ったのが、東京都品川区が2019年に取り組んだプロジェクト「子ども食堂の支援としあわせ食卓事業で、子どもたちの心の笑顔をつくりたい」です。

区内の企業が貧困問題の解決に向け、自治体×NPOのプロジェクトに参画しています。

東京都品川区GCFプロジェクト(https://www.furusato-tax.jp/gcf/608

プロジェクトでの企業の役割は幅広く、「衛生管理」「食材・物品提供」「場所の提供」「イベント企画」など、各企業の本業で培った強みを活かした価値を提供しています。

行政やNPOと連携し、まさに「自分ごと」として貧困問題の解決支援を展開しています。

東京都品川区のGCFプロジェクトへの参画企業と支援内容

 

私はプロジェクトの企業向け説明会で、企業の活気・やる気を体感しました。

品川区×城南信用金庫の企業向け説明会の様子

 

このプロジェクトで、これまで企業へ問われてきたCSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)から、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)への発展を感じました。

企業が事業活動を通じて社会課題を自分ごと捉えて解決に寄与し、「社会価値」と「企業価値」を両立させる取り組みに強い可能性を感じずにはいられません。

このように、ふるさと納税は、自治体単独の取り組みだけでなく、NPOや企業が連携し、貧困問題にはじまる社会課題の多様な主体による解決に向けて活用が進んでいます。

 

◆ ふるさと納税でひとり親家庭や児童養護施設の卒園者を応援

SDGs17の目標のうち「1.貧困をなくそう」の取り組みを紹介します。

 

〇自治体:東京都町田市 (とうきょうと まちだし)

プロジェクト名:ひとり親家庭が笑顔で暮らせるように、お弁当を配達して親子のコミュニケーションを増やす!

URL:https://www.furusato-tax.jp/gcf/699

目標金額:2,000,000円

寄付金額:2,935,000円(達成率147%)

寄付募集期間:2019年11月1日~2020年1月31日(92日間)

プロジェクトオーナーの声:※ページ本文から引用(メディア引用ポリシーの記載に準ずる)

『おうちでごはん事業は、経済的に厳しいひとり親家庭を対象に、地域のボランティアさんにご協力いただき、2週間に1回、無料でお弁当を配達しています。

町田市の補助金を活用して、町田市社会福祉協議会が2019年度から開始した事業で、初年度は29世帯81人が利用しています。

「毎日忙しく、夕飯の支度や家事で、子どもとのコミュニケーションが取りづらい」

「1人での子育ては、かなりしんどい」

「人とつながったり、相談にいったりということが苦手」

これらは、おうちでごはん事業に応募された、ひとり親の方たちのメッセージです。

お弁当をお届けするだけでなく、地域のボランティアさんや社会福祉協議会の職員とつながることで、子どもや親が地域で安心して生活できるように支援します。』

 

 

〇自治体:東京都板橋区 (とうきょうと いたばしく)

プロジェクト名:児童養護施設の卒園者の暮らしを支援し、進学できる環境を整えたい!

URL:https://www.furusato-tax.jp/gcf/541

目標金額:5,400,000円

寄付金額:6,152,262円(達成率114%)

寄付募集期間:2019年6月4日~2019年9月25日(114日間)

プロジェクトオーナーの声:※ページ本文から引用(メディア引用ポリシーの記載に準ずる)

『児童養護施設出身者の高校卒業後の進路は、進学割合が低く、就職割合が高くなっています。その一因に、多くの子どもが高校卒業とともに施設を出なければならず、進学するための生活環境が整わないことが挙げられます。そこで、皆さまからの寄付をもとに、進学する児童養護施設卒園者の住居費用を助成し、子どもたちの巣立ちを支援します。

このプロジェクトは、寄付を通じて、子どもたちの夢をみんなで支援するとともに、子どもたちの生活サポート体制の充実を図ろうとするものです。皆さまのご支援をお待ちしています。』

 

 

◆ 自治体×企業による貧困問題、そして、社会課題の解決に向けて

GCFでは、SDGs17の目標「1.貧困をなくそう」関連で計20以上のプロジェクトを掲載し、日本の貧困問題の解決にアプローチしてきました。前出の板橋区は6月から、第2弾プロジェクト(https://www.furusato-tax.jp/gcf/809)の寄付募集を開始するなど、早急な解決が難しい「貧困問題」に対する継続的な取り組みとして応援を呼び掛けています。

本コラムでは、自治体×NPO団体×企業の取り組みを紹介し、多様な主体が連携した地方創生や社会課題解決の事例を紹介してきました。日本の経済を支える企業の力はとても強く、この強みは地方創生や社会課題の解決にとても有効です。自治体やNPO団体の強みとかけあわせ、新しい社会×企業の価値を私自身も日々体感しています。

企業人の皆さまには「ふるさと納税として自治体の課題解決の取り組みを応援して欲しい」との想いがある一方、ぜひ皆さまの強みを活かして社会活動にも参画して欲しいと願います。

私たちも寄付のプラットフォーマーとして協力します。日本の明るい未来づくりに一緒に貢献していきましょう。

 

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株式会社トラストバンクについて

2012年4月設立。 2012年9月にふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を開設し、月間最大約2億PV(2019年12月)、契約自治体約1,560団体超(2020年6月)、お礼の品登録数27万点超(2020年6月)を有する業界最大級のサイトに成長。 2013年9月に「ガバメントクラウドファンディング(R)」をスタートし、2020年3月現在690プロジェクトで累計72億円超を集めた。新型コロナウイルスに伴う支援プロジェクトも実施中(https://www.furusato-tax.jp/feature/a/corona-virus_support_index

)。

 

<参考記事>

・「地域発の事業に新たな資金の流れを作る「ガバメントクラウドファンディング」に迫る」(https://financewalker.jp/interview10179/

・【ふるさと納税×SDGs コラム#1】 ふるさと納税を地域の再エネ促進に活かす ~エネルギーをみんなに そしてクリーンに~(https://financewalker.jp/column10250/

・【ふるさと納税×SDGsコラム#2】~質の高い教育をみんなに~(https://financewalker.jp/column10255/

・【ふるさと納税×SDGsコラム#3】~すべての人に健康と福祉を 新型コロナウイルス対策への支援~(https://financewalker.jp/column10257/

・【ふるさと納税×SDGsコラム#4】9.産業と技術革新の基盤をつくろう(https://financewalker.jp/column10260/