本記事では不動産投資における買い時、売り時の判断、人口減少の時代の不動産投資についてお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
「買い時」、「売り時」の見極め方
景気が悪ければ買いどき、よければ売りどき景気に連動して価格が安くなったり高くなったりするという点は、不動産も他の商品や財物と変わりがありません。したがって景気が悪くなれば、不動産の価格も安くなるので「買いどき」、逆に景気がよくなれば、不動産の価格も高くなるので「売りどき」ということになります。
なお、あまり底値(一番安い価格)で買うことや天井値(一番高い価格)で売ることにこだわりすぎないようにしてください。底値や天井値を見極めるのは、日々、不動産の価格を注視し続けることが仕事でもある不動産屋さんであっても、ほぼ不可能だからです。0年とか0年といったある程度の長さの期間で見て、今は相対的に不動産価格が安いと考えられるのであれば買いどき、逆に高いと考えられるのであれば売りどきと判断すればいいわけです。
とくに注意が必要なのは、価格が高いときの売りどきの判断です。不動産の価格というのは、上がるときには比較的じんわり上がる感じなのですが、下がるときはストンと急激に下がる傾向にあります。つまり、「まだ価格が上がるのでは」と欲をかきすぎると、売りどきを逸してしまう可能性が高いのです。

借入金利が低いときは買いどき
金融機関からの融資を利用して不動産を購入する場合、借入金利が低いときも買いどきと判断することができます。借入金利が低ければ、その分、不動産から発生する収益額が大きくなるからです。
たとえば、借入額5000万円、借入期間10年の場合に、借入金利が3%から2%に下がると、借入期間9年間中に発生する収益の総額は273万円も増加することになります。なお、融資を受けるに際して変動金利を選択した場一合、景気がよくなり市場金利が上昇すれば、借入金利も上昇することになるので注意が必要です。
人口減少が不動産投資市場に与える影響
今後の不動産投資市場を予測するときに重要になるキーワードは、「人口減少」と「インバウンド消費」です。以下、それぞれについて見ていきましょう。人口が減少しているといっても、減少のしかたは全一律ではありません。大都市圏では現状維持、あるいは緩やかに増加といった感じですが、地方では減少が著しく、秋田県をはじめとするワースト8県では、1年あたりの人口減少率が1%を超えています。
これほどの勢いで人口が減少していることを考えれば、地方の不動産に対する需要が減少していくことは明らかです。地方では、東京などから比べると土地価格が数十分の一程度ということもあり、現状、利回りが非常に高くなっています。しかし、その利回りにつられて安易に手を出すと、大やけどをすることにもなりかねません。
借り手がつきにくいだけならまだしも、売ろうとしても買い手がないような事態になることも十分、ありうるのです。多少利回りが低くても、今後は大都市圏を中心に投資対象となる不動産を探すことを強くおすすめします。
インバウンド消費が不動産投資市場に与える影響
インバウンド消費とは、訪日外国人観光客が日本国内で様々な商品やサービスを利用してくれることをいいます。人口の減少傾向が続く日本では、このインバウンド消費を増加させることを経済発展のためのひとつの柱と捉え、観光立国推進基本法を制定するなど、国を挙げて取り組みを行なっています。
こういった流れの中で予想されるのが、インバウンド消費を狙った不動産投資の過熱です。実際、日本一の観光都市である京都では、10年以上前からインバウンド消費を狙った不動産投資が数多く行なわれています。こうした現象は今後、全国各地の観光資源が豊富な地域にも広がっていくものと予想されます。先に今後は地方への不動産投資は避けるほうが無難と言いましたが、地方であっても観光資源が豊富な場所では状況が違ってくる可能性が大いにあります。