経営者のための不動産投資入門#4

経営者のための不動産投資入門#4

本記事は前回の記事と同様に経営者に知っていただきたい不動産投資の入門的ノウハウをご説明致します。毎度述べさせていただいているのですが経営者でない方にも十分に通用する普遍的なノウハウとなっていますのでこれを機に理解していただいてご自身の不動産投資にお役立ていただけると幸いです。

RC造 (鉄骨コンクリート造)、S造 (鉄骨造) か、木造か <その2>

次に、物件取得後の経費についてです。固定資産税·都市計画税といった税金はRC造·S造のほうが高く、木造のほうが安いでしょう。これは毎年かかってくる税金となります。ただ、それ以上に違いが生じるのは修繕費です。木造の場合に比べ、RC造S造は大規模修繕のコストが大きくのしかかってきます。

一般に、大規模修繕は10~15年のスパンで行うといわれていますが、「屋上防水」「外壁塗装」「消防設備」「給排水管」などがあり、それぞれで修繕が必要になるタイミングが異なります。いずれにしても大事なことは、中古のRC造·S造を購入するときに、きちんとメンテナンスが施されてきたかどうかを見ること。

というのも、コンクリートというのは、メンテナンスを怠ると、一気に劣化するものだからです。特に屋上防水と外壁塗装について、まったく何も触っていない状態だと、結構な金額の修繕費になってしまうこともあります。売却のしやすさについては、次の購入者側の事情を考えてみるとわかりやすいでしょう。買い手は多くの場合、銀行からの融資を受けようとします。木造だと、法定耐用年数が短いため、先ほどもお伝えしたように融資期間は短くなります。

つまり、売りにくいといえます。ただし、木造の場合、解体費用が安いため、RC造·S造に比べて土地として売るということが視野に入りやすくなってきます。場所がよければ、木造は売りやすいともいえます。この点については、後ほど詳しくお伝えしますが、売るときを考慮したよい土地であるかどうかも重要だといえます。ここまで見てきたように、RC造·S造と木造には、それぞれにメリットとデメリットがあり、優劣はつけがたいものです。

ただ、1億円以上の物件ということを考えたときに、なかなか木造アパートで優良なものは出てきません。数千万円程度が多いのですが、その場合、RC造·S造以上にたくさんの建物を持たないと、収益は上がってきません。ここで考えていただきたいのが複数の建物を持つということは、物件探し、融資づけ、管理など、その分だけ手間がかかるということ。最終的に5億円程度の不動産投資をしようと考えている場合、単純計算をすると、5000万円の木造だと10棟が必要ですが、1億円のRC造·S造だと5棟で済みます。もちろん棟数が多いほどリスクヘッジになるという考え方もありますが、本業を抱えている皆さんにとって、物件数と投資額の兼ね合いも考える必要があります。

<ポイントその1>

・木造は不動産として定収入を得るだけでなく、不動産として機能しなくなった後の土地の売却まで視野に入れる必要がある

・木造は修繕費が高くつくため、税金で負担のかかるRC造よりも結果的に費用が嵩んでしまう

・RC造やS造は解体費用が高くつく

・複数の物件を所有するとそれだけ管理コストや手間がかかるため最初は所有物件数をなるだけ少なく高収益になることに主眼を置く

お勧めの土地形状は?

先ほど触れた売却のこととも密接に関わるのですが、土地の形状についてもお勧めのものがあります。メイン通りからちょっと入ったようなところで、かつ整形地がいいでしょう。整形地とは、長方形や正方形のことを指します。前面道路に接する辺の長さが長く、かつその道路が広いほど土地の価値は高くなります。

さらに、それが角地ですと、建ぺい率も有利になるので、よりお勧めのものとなります。では、不整形地はNGなのでしょうか。不整形地の典型は、旗竿地と呼ばれる形状で道路に面している辺が極端に狭く、旗のような形をしているもので、これは都心や都心近郊の駅近では、珍しくありません。人気が低いため、割安に購入できるとあって、あえて購入する人もいますが、私はあまりお勧めしません。それは金融機関からの評価が低いため、融資がおりづらいということに加え、売却しづらいということがあるからです。

では、なぜ売却しづらいか。そもそも、建て替えができない建築不可物件である可能性があります。それは建築基準法で定められている接道義務を果たしていないからです。接道義務は、「幅員4メートル以上の道路に、建物の敷地が2メートル以上接していなければならない」というものです。

加えて、重機が入りづらいため、解体するにも、建て替えるにも、費用も期間も通常より多くかかります。解体費用は2~3倍というケースも少なくありません。土地に着目すると、ときどき見かけるのが借地権を利用した物件です。借地楕付き延戦土地の所有者自体は別にいて、その土地を利用する権利(地上権)だけがあるという物件です。地代の負担がある一方で、固定資産税と都市計画税を払う必要がないことが特徴です。所有物にはならないため当然、土地を売却することはできませんし、建て替えにも土地の所有者の同意が必要です。経営者であれば、そうした土地の持ち主との交渉などに長けている方もいるでしょう。その意味では、意外とアリな物件かもしれません。

ただ、担保力としては乏しいといえますし、初心者の購入はお勧めしません。

<ポイントその2>

・不整形土地は安価に所有することができるのが旨味

・解体費は逆に整形土地や道路に面している幅が大きい土地の方が圧倒的に安く済む

・不整形土地は銀行からの融資を借り受けする際にマイナス因子として働くため融資が受けにくい

以上が経営者に学んでほしい不動産投資の入門でした。次回が本シリーズの最終回になりますので、興味ある方は是非一読ください。

 

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