会計(アカウンティング)の目的とは何か
「会計」(アカウンティング)で最も重要なことは「企業活動の結果について数字を使ってー定の計算方法で正確に記録して伝えること」とも言えます。一定の計算方法というのは、たとえば複式簿記の体系や会計基準など広く定められた方法のことを指します。これらの方法に則り、過去の実績を正確に記録し、客観的な情報として伝える、というのが会計の使命といえるでしょう。
こうした情報がなければ、私たちは企業の活動がどのくらい成功しているのかなどを知ることができません。きわめて重要な機能です。
財務(ファイナンス)の目的とは何か
一方、企業の中での「財務」(ファイナンス)はどうでしようか。数字を使うことは同じですが、過去の実績を正確に報告するのは財務の仕事ではありません。「調達」一「運用」一「獲得」一「配分」の流れを考える必要があるのは、それによってこれから先のビジネスをうまく進めていきたいからです。したがって、ファイナンスで最も重要なことは、「企業活動に将来必要なおカネについて数字を使って合理的に確からしく取り扱うこと」といえるでしょう。
過去の実績は、将来を予測する際の参考情報にはなりますが、それを深掘りすることは財務の本分ではありません。また、正確性を追求しても始まりません。将来のことで正確にいえることはーつもありませんし、予測の仕方が法律で定められているわけでもありません。
したがって、ファイナンスでは期待したようなおカネの流れが将来得られること、およびそこに至る道筋に関して「論理的に整合性がある」「合理的な予測をしている」などといった確からしさが求められることになります。
もちろん、将来の予測にあたっては、過去の実績を損益報告書など各種の会計報告から読み取れなければなりませんし、それらを様々な財務指標によって分析することも必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。会計は「過去の企業の取り組みを正しく伝えること」、財務は「将来の資金調達を高い確度で実現すること」とも言えます。金融業界に関わらず、あらゆるビジネスにおいて会計や財務は必要不可欠な要素であるため、体系的に理解することで大変便利な知識となるでしょう。