今回は金融サービスにおけるシステムの進化に合わせたニーズ繊維とはという題目でIT業界に属している人ならば知っておきたいリテラシーをご紹介いたします。

 

金融サービスのシステム化ニーズ

金融サービスの3つの処理

金融機関への初期のシステム導入では、人が行っていた作業をシステムに置き換え、処理スピードを格段に上げることで処理量を増加させるのが大きな目的になっていました。想定される処理は、大きく①フロントオフィス、②バックオフィス、③ミドルオフィスの3つに分類できます。フロントオフィスでメインとなる窓口業務では、顧客情報や商品情報を基に取引(預貯金、証券発注、保険契約など)を行います。これらの取引のために情報を閲覧し、取引の結果を基に伝票を作成することがニーズになります。あわせてさまざまな情報を分析し、金融商品の企画・設計・マーケティングを行うことも必要です。これらの処理をフロントオフィスと呼びます。一方、上記の伝票に基づき必要な処理を行い、社内や他の金融機関との情報のやりとりをした上で、自分が保有する帳簿を変更します(決済処理)。また、現金や証書などのモノを社内で管理しており、自社内や他の金融機関に輸送します。これらの結果、顧客や規制機関、社内向けの帳票を作成します。帳簿を基に、社内の財務状況や保有資産の管理も必要になります。これらの処理をバックオフィスと呼びます。上記の処理を正しく行うため、聞き間違い、伝票の書き間違いの防止を含め、帳簿の変更やモノの輸送の前に社内·金融機関内で取引内容を照合(取引照合)することが一般的です。また、取引と決済の間に時間があるため、この間で決済に必要な現金·証書などを借りて調達することもあります。貸し借りを行って良いのかという相手の評価(与信管理)や、自分が持っている資産が将来も含めて十分かという評価(リスク管理)も必要です。法規制上の確認(コンプライアンス)や手数料計算などの取引周辺処理も必要です。これらの処理はミドルオフィスと呼ばれる。なお、3つの分類は業界や企業によって異なる切り方をすることもあり、またミドル・バック処理などまとめて取り扱うもあります。

 

図解:金融サービスの3つの処理の業務内容

機能面からの金融サービスのシステム化ニーズ

機能面から見た金融サービスのシステム化では、次に述べるようなニーズがあります。なお、金融は根本的に情報(データ)を扱っており、モノは派生物と捉えられる点がニーズに大きく関わっています。でまず、事務処理を自動的に行い、手間を省くことが挙げられます。金融機関では口座開設、振込や注文の入力など同じ処理を繰り返すことが多く、手順に沿った処理をシステム化·自動化し人手を減らすニーズは非常に大きいです。もちろん、システム利用により処理を変更し、作業を効率化することも重要になります。大量の処理やデータ管理を人を増やさずに行う点も、ニーズのひとつです。これが実現すれば顧客を増やし収益拡大につなげることができるとともに、大量のデータを分析し新サービスにつなげることも可能になります。また、人が行うよりも高速に処理することで時間短縮につなかり、ごく短時間に大量の処理を実施し新たな付加価値を生み出す場合もあります。また、システム化により処理が電子化される面も大きなメリットです。取引記録や帳簿などのデータを簡単に管理できます。そのデータを活用することにより、新たな営業活動や顧客分析などを効率的に行うことが可能になります。金融機関が顧客の信頼を勝ち得るため、ミスなく事務処理ができることは必須条件です。したがって、事務処理の精度向上はシステム化の大きなニーズです。加えて、金融サービスが規制に準拠することを担保するために、処理記録が残っていることが重要です。構築されるシステムも安定して稼働し、正しく処理できる高い信頼性が求められます。金融取引では多数の関係者間で取引を行うため、効率的なデータ連携もシステム化のニーズになります。1つの金融機関の本支店間、さらには金融機関間など、ネットワークを通じてデータ交換や処理が可能になれば、効率改善が見込めます。現金などあらゆるモノの電子化が進めば、このメリットはさらに大きくなります。高度な計算や統計分析など知的処理を行うことも、金融におけるシステム化のニーズとなります。金融工学を用いた商品開発やリスク管理、顧客の与信管理などで、市場や顧客環境を適切に予測し新たな付加価値を生み出す必要性が増しており、このニーズの重要度は高まっています。対面処理だけではなく、古くはATM、最近ではコールセンターやインターネット、スマートフォンを経由したサービスなど、いつでもどこでも使いやすいサービスを提供できることも、システム化の結果として享受されるメリットのひとつです。これによって顧客へのサービス改善にもつなげられるでしょう。これらのニーズに対し、システム化のメリットとコストとを比較した上でシステム導入が進められます。

ビジネスとITの変化に起因するシステム化ニーズの変化

金融機関のIT活用は、コスト削減の観点から1950年代には処理自動化、70年代にはネットワーク化が進められてきました。一方、80年代以降になると徐々に収益性を高める分析や商品開発、顧客サービスの改善へとニーズが広がってきました。特に2008年のリーマン·ショック以降では、既存の金融サービスでの収益が大幅に低下するとともに、一層のコスト削減と高度なリスク管理が求められるようになりました。これによって、のこれまで複雑度が高く頻度が少ないことからシステム化の検討が進まなかった処理や、貸出やコンプライアンスなどの判断が必要な処理の自動化の推進、2自己資本比率やレバレッジ比率をはじめとする規制対応に合わせるための社内横断的でリアルタイムなデータの集約と高頻度のリスク分析、などのニーズが広がっています。一方2010年代に入り、新たな金融サービスでの収益を求める最新のIT が積極的に活用されています。金融サービスに関する情報に加え。音声や画像、購買履歴やSNSへの書込み、多様なセンサーの情報なと、大量の情報を活用した金融サービスを提供するのがニーズの一例です。統計分析や機械学習を利用し、与信評価やリスク分析、商品開発に活用しようという考え方です。具体的には、取引履歴の与信評価への利用あるいは自動車の運転状況に関する保険料計算への利用などがその一例です。また、クラウドサービスなど高度なインフラを誰もが利用しやすい環境が実現しています。これにモバイル環境を含むネットワークの常時接続を組み合わせ、事務処理やシステム構成をシンプルにし、コスト削減や処理時間の短縮が図られています。これは、結果として新サービス提供のニーズにも合致しています。ブロックチェーンによる分散型で信頼を担保する技術の活用により、適用範囲の拡大も見込めます。さらにスマートフォンの普及などにより、コンピューティング環境が常時利用できるようになりました。顧客が自ら処理を行うセルフサービス型サービスが一層広がるとともに高度化しています。これらのサービスは、前節で取り上げたFinTech にあたります。FinTech はインターネットのサービス事業者やベンチャー企業からも優れたサービスを提供されており、金融機関でも対応を強化しています。

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