Fintechにおけるシステム構成の遷移

Fintechにおけるシステム構成の遷移

今回はfintechを勉強することにおいて読者の皆様に絶対知っておいてシステム構成の遷移についてご紹介いたします。

システム構成の変化

メインフレームからクラウドサービスまでの変化

|メインフレームの活用

日本では1960年代の高度経済成長以降、銀行を中心にメインフレームを利用したシステム導入が進みました。メインフレームの特徴は、大量のデータ処理能力(計算処理やストレージ·メモリなどの入出力処理)を持ち、すべての処理をサーバー側で行う集中的なシステム構成であることです。メインフレームでは、ITベンダーが独自にハードウェア、OS、ミドルウェアを提供しています。金融機関が保有するデータセンターに設置して運用し、エンドューザ端末とは専用回線で接続します。日本の金融機関のシステムは、当初は1960年代の「第一次オンラインシステム」として、預金·為替など業務単位ごとのシステムが構築されました。しかし、システム化の目的は個々の業務の効率化·省力化であったため、業務間の連携はありませんでした。その後、業務システムの統合は、1970年以降に刷新された「第二次オンラインシステム」で実現し、顧客情報などの一元管理による複数処理の実行が可能となりました。ATMによる現金預け入れ、引出、振込サービスが開始されたのもこの時期です。さらに1980年代以降の「第三次オンラインシステム」では、急速に増大する処ル理量に合わせ、拡張性が求められました。現在の銀行システムの原型は、このときに構築されました。

|分散系システムの普及

1990年代以降、クライアント·サーバー型の分散系システムが普及し(さました。分散系システムは、複数台のコンピュータを、処理を実行する「サーバー」と処理を要求する「クライアント」端末に役割を分散させ、相互にLANで接続する形態です。1990年代後半にはWebによるインターネット技術(HTMLやJava)やUNIX、Linux などのオープン系ソフトウェアの利用が広がりました。ベンダー依存のソフトウェアを使用せず、低コストかつユーザ要件に合わせたシステムのカスタマイズが可能となりました。金融機関では、2000年代以降に基幹システムの分散系システムへの秘行(オープン化)が検討され始めました。背景として、メインフレー)維持コストの肥大化や、1990年代以降の金融業界における規制緩和により、ITコスト削減を狙ったシステムのダウンサイジング、IT競争力の強化が挙げられます。金融機関によっては、UNIX やLinux を利用してシステムの移管(マイグレーション)を進めています。またネット専業銀行や証券といった新規参入の金融機関は、メインフレームを利用せず、分散系システムを構築しています。これらの金融機関ではネットバンキングやネット証券取引サービスなど、Web経由でのサービスを利用者向けに提供しています。分散系システムの利用が広がるにつれ、機能が明確に分離したシステム(疎結合なシステム)が一般的になってきました。最近では、これらのシステムを連携·機能させるため、システムの機能を標準的な方法でサービスとして他システムに提供し連携するSOA (Service OrientedArchitecture:サービス指向アーキテクチャ)などのアーキテクチャの利用や、システム間のデータ連携をGUIなどで容易に実現できるETL(Extract Transform Load)などのツールの利用も広がっています。

 

図解:システム構成の変化

|クラウドコンピューティングの利用拡大

2010年後半にはハードウェア構築·維持運用にかかるコスト削減を目的に、クラウドコンピューティングの利用が広がりました。その際、利用者は自社でシステムの構築,運用を行わず、インターネットなどのネットワークを介しクラウド事業者のサービスを利用します。利用者は接続環境とPCのみが必要です。クラウドはその運用形態や提供サービスにより、下表のように分類できます。

 

図解:クラウドの分類

クラウドシステムでは仮想サーバーがしばしば採用されています。「仮想サーバー」とは一台分の物理サーバーを複数台のサーバーがあるかのように理論的に分割し、複数のOSアプリケーションを稼働させることです。これは結果的にCPU、メモリ、HDDなどの資源の効率的な利用と運用コスト削減につながります。

金融移行でクラウド利用が広がった理由の一つとして、金融機関に求める厳密なセキュリティ用件への対応があります。クラウド業社のサービスの進化に合わせて、金融機関も重要度の低いシステムの移行を皮切りに徐々に利用を広げています。

|大容量のデータ活用につながるストレージ変化

大容量のデータを保管するストレージ媒体はメインフレームの時代より磁気テープが主流でした。磁気テープとは信用性が高く、データの保持が長期間可能、データ移行速度が早い、と言った特徴があります。また、その反面、データの検索生に劣るためHDDも併用されてきました。当初HDDはサーバー内臓型でデータの互換性や相互運用性に乏しく単一サーバーデータの格納保存以外では利用されませんでした。2000年以降画像、動画などのコンテンツの巨大化に伴いより大容量のストレージが求められてきました。そこで既存のネットワークを利用してストレージを共有するNASや専用のファイバーチャンネルによるデータ共有を可能にしたSANも普及してきました。専用回線を構築するため、SANはデータの高速処理が可能でセキュリティ面も性能が拡大しました。

さらにクラウド利用が拡大スト仮想化されたストレージサービスも普及してきました。自社で構築するストレージと比較してデータ容量の増加に対して柔軟に対応することが可能になりました。

 

|データ管理の変化

初期のメインフレームでは、システムごとに独自の形式でデータを管していましたが、次第に関係データベース(RDB:RelationalDotahase)の活用が広がりました。現在では大半のシステムでRDBを利用しています。RDBの特徴としては、ユーザが扱いやすい「テーブル」構造と操作言語であるSQL、そしてどのOSやアプリケーション上でも動作する汎用性の高さが挙げられます。一方で、今日のデータの大容量化や(テーブル型ではない)非構造化データの活用、高速処理の要求に対しては、RDBでは処理力方法や保管データ量の問題が顕在化してきています。その解決方法として、近年はNOSQLをはじめとした非構造化データベースのビッグデータへの利用が注目されつつあります。

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