金融エンジニアのための銀行システム基本#1

金融エンジニアのための銀行システム基本#1

今回はfintechを学ぶことにおいて必須リテラシーの一つになってくるであろう現在我々が使用している銀行システムの基本を二部に分け、皆様に詳しく知っていただこうと思います。銀行のシステムに関して何も知らずにその恩恵を享受している方も少なくはないと思いますので是非この機会にfintechを絡めて会得して頂けたら幸いです。今回は二部のうちのPart1をご紹介します。

 

銀行システム銀行の三大業務とシステム

銀行業務とは?

銀行では、さまざまな業務が行われています。中でも「預金」「貸付(融資)」「為替」は銀行の三大業務と呼ばれ、主要業務とみなされています本節では、これらの業務を中心に銀行の業務とシステムについて説明します。個人や法人顧客が預けたり引き出したりする資金を管理するのが預金業務です。預金の種類は、常時引出が可能な流動性預金と、原則一定期間引出が不可能な固定性預金に分けられ、それぞれ一般的な商品として普通預金と定期預金が挙げられます。一方、顧客から預かった資金を別の個人や法人顧客へ貸し付け、一定の利子を受け取り、運用するのが貸付業務です。手形貸付や証書貸付(住宅ローン、自動車ローンなど)、貸付有価証券などがあります。振込による送金なと、銀行ロ座間の資金決済をするのが為替業務です。これは内国為替業務と外国為替業務とに分けられます。資金決済をする双方が日本国内かつ、日本円での資金決済をするのが内国為替業務です。また資金決済の一方が日本国内で、もう一方が外国である場合や、日本円以外の資金決済をするのが外国為替業務です。

銀行の主要なシステム

銀行システムは、一般的に預金,貸付,為替業務に関わる勘定系システム、外国向けおよび外貨関連処理を行う国際系システム、国債など連用管理に関わる資産管理系システム、外部システムとの接続を管理する対外接続系システム、為替や金融商品、顧客情報などを提供する情報於システムや一連の周辺系システム(営業店システム、ダイレクトチャネルシステム他)などから構成されます。対外接続系システムは、銀行間の内国為替取引をオンラインで行うための全国銀行データ通信システム(全銀システム)や、日本銀行が運営する日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)、各金融機関が保有する ATMなどを中継する統合ATM、クレジットカードオーソリゼーション(与信照会)ネットワークのCAFIS(Credit And FinanceInformation System)などの外部システムと銀行システムとの接続を管理しています。銀行システムは非常に大規模なシステムであるため、ここでは重要度の高い勘定系システムと、対外接続系システムが接続する全銀システム、日銀ネットを中心に説明します。

図解:銀行システムの全体像

勘定系システムと預金業務·貸付業務

勘定系システムは銀行の三大業務を処理していることから、銀行業務における最重要な基幹系システムのひとつで、これらの業務の会計勘定を管理しています。これは、一般的な複式簿記による帳簿を管理するシステムと考えることができます。損金口座の入出金(預金業務)、手形などによる貸付やその回収(貸付業務)、口座振込(為替業務)など、あらゆる取引で該当する勘定科目と取引金額が伝票として起票されます。勘定系システムでは、これを勘定科目ごとに仕訳した上で、個々の勘定項目ごとにまとめた元帳やそれらを集約した総勘定元帳として管理します。必要に応じて、預金残高などを管理することもあります。勘定系システム上では取引時の処理内容に応じ、オンライン処理、センターカット処理(オンライン·バッチ処理)、パッチ処理がそれぞれ利用されています。ここでは、まずは預金業務を中心にこれらの処理を見ていきましょう。たとえば、ATMから現金を引き出すと、引出後の残高が画面に表示されます。これは、口座からの入出金の都度、オンライン処理で口座残高を更新して表示するためです。システムでは、まず紛失·盗難登録がされた口座の不正利用でないかなどのチェックが行われます。そして、出金希望額に十分な残高があれば、取引金額の出金を記録し、その額を残高から引きます。また、現金(資産の減少)と普通預金(負債の減少)伝票も起票し、総勘定元帳に対して適用します。センターカット処理はオンライン取引で通常行うような処理を、大量に一括してバッチ処理として処理する方式です。この際、オンライン処理と同様に1件ずつ伝票を作成し処理がなされます。給与振込や利息計算がその代表的な取引です。オンライン処理とセンターカット処理では、そのタイミングによっては、出金·入金の順番次第で口座残高不足と判定され、本来問題のない処理を行えない場合があり得ます。システム構築の際には、このような処理に注意してロジックを調整しています。バッチ処理では各種帳票の作成や、勘定系システム以外のシステムに転送するファイルを作成します。たとえば、情報系システムには取引情報などを転送しています。これらは累積され、データ分析し、マーケテイング活動や不正送金などの異常取引分析に活用しています。また、当日中にオンライン処理で行われた総勘定元帳への書込みについて、内容を照合の上バッチ処理で再度書き込み、正式版の総勘定元帳を作成する場合もあります。次に、貸付業務システム処理の概要を説明します。貸付業務は一般的に下図の流れで行われます。

図解:貸付業務の流れ

銀行は申込みを受領すると、まず貸付の可否を審査するために過去の貸付状況、信用情報、財務状況などを確認し、貸出先の個人や企業が破たんしないかの安全性分析を行います。また、確保できる担保の確認やその評価もあわせて行います。これには、財務分析システムや信用格付けシステム、信用情報照会·登録システムなどを用います。この結果から担当者は貸出説明用の書面を作成し、関係者に承認を依頼します。これを禀議と呼びます。禀議は銀行内の関係者が回覧して承認後、責任者が最終的に決裁します。その後、契約を締結し申込者のロ座に銀行から入金、また返済条件に合わせて貸付回収を行います。なお、財務状況や信用状況を基にした審査は一度ではなく、貸出期間中、随時かつ継続的に行われます。個人や企業そのものではなく、大規模なインフラ事業などのプロジェクトを主体として貸出を行うプロジェクト·ファイナンスも増加しています。この際、プロジェクトの予想収益を評価し、融資を行います。担保はそのプロジェクトの資産を対象にして行われます。

【広告】Librus Tech Communityのお知らせ

Librus株式会社が運営する、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーの方向けに展開するコミュニティにぜひご参加ください。「互いに助け合い、学び合う空間」をコンセプトに、システム開発に関するセミナーや勉強会をはじめ、案件や転職先のご紹介、相談対応も行います。エンジニア初心者の方や起業、現在フリーランスをされている方、フリーランスを目指している方も大歓迎です。

▼Slackコミュニティ入会フォーム
https://forms.gle/1D5duKwVJhm1vFb18

 

フィンテックカテゴリの最新記事