金融エンジニアのための銀行システム基本#2

金融エンジニアのための銀行システム基本#2

今回は前回に引き続きfintechを学ぶにおける銀行システムについてお伝えしていきます。また、今回の内容はpart2ですのでまだPart1をご覧になっていない方はブラウザバックしていただいてPart1から一読されることをお勧めします。

 

為替業務と全銀システム、日銀ネット

為替業務では、基幹系システムと対外接続系システムを連携して処理を行います。この際、日本国内で主に利用されるのは、全銀システムと日銀ネットです。

一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する全銀システムは、全国ほとんどの金融機関(1,276行、31,303店舗(2018年9月末時点))をオンラインで接続しています。そのネットワークを介して銀行間の内国為替取引に伴う為替通知がリアルタイムで行われています。為替通知とは、送金元である仕向銀行と送金先である被仕向銀行との間でやりとりされる送金情報を指します。全銀システムでは1日平均約645万件、12兆円(2017年)の為替通知処理を行っています。

図解:送金為替フローの例

また全銀システムでは、セントラル·カウンターパーティ(CCP)としての役割も担っています。下図左側のように、3行がそれぞれ取引をするのではなく、右側のように全銀システムが集中的にすべての取引相手となるとともに、取引を1日ごとに取りまとめ、相殺(ネッティング)して差分のみの決済を行います(清算)。この方法により、為替取引は各金融機関と全銀システムの間で完結することとなります。これにより取引先銀行が倒産するなどの場合でも、決済リスクの影響拡大を最小限に抑えられています。また、リスク発生時の支払いに充足するため、全銀システムには各金融機関が担保などを差し入れています。こうして全銀システムが清算した決済指図データは、

図解:全銀システムにおける資金清算の仕組み

日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)に送信され、資金決済が行われます。日銀ネットとは、日本銀行が運営し、金融機関が日銀に預けている当座預金を用いて資金決済をオンラインで行うコンピュータ·ネットワークシステムです。

図解:全銀システムと日銀ネット

なお、決済金額が1億円以上の大口為替取引の場合、決済不履行のリスクが大きくなるため、全銀システムでは取りまとめ(ネッティング)られず、日銀ネットのRTGS(Real Time Gross Settlement:即時グロス決済)によって、取引ごとにリアルタイムベースで資金決済が行われます。たとえば、次ページの図のように、A銀行が支払う1.5億円は他の取引と取りまとめられることなく即座に日銀で資金決済された後、為替通知がB銀行へ送られます。1億円以上の取引は、件数ベースでは為替全体の0.2%ですが、金額ベースで見ると70%程度を占めます。

周辺系システムと情報系システム

銀行では、三大業務を支援する勘定系システムのほか、銀行業務において重大な役割を果たす情報系システムや周辺系システムが存在します。そして、必要に応じて勘定系システムと連携する形になっています(ハブアンドスポーク構成)。まず周辺システムに注目すると、店舗の窓口業務やATM、コールセンター、インターネットバンキングなどの顧客チャネルが挙られます。

図解:1億円以上の為替取引(日銀RTGS利用)

これに加えて、各チャネルを管理するとともに、個々の業務向けに必要な情報や提案資料を提供する営業店システムやダイレクトチャネルシステムがあります。これらのチャネルを通じた各業務で発生する事務処理に対しては、事務集中システムが構築されています。一方、ガバナンスの観点からはリスク管理システムも導入が進んでいます。これにより、収支管理に加え、流動性や財務健全性の確保、貸付先の状況管理、保有する証券の価格変動管理、資金調達のコスト管理などが行われています。また内部監査機能として、さまざまな事務作業やシステム処理が正しくなされているか、後日の監査で確認できる必必要もあります。そこで、監査証跡を取得し、安全に保管できるような監査システムも導入されています。さらに、反社会勢力との取引防止やマネーロンダリング(犯罪等による収益の出典を隠蔽するための取引)対策が重視されてきており、その対応のため、アンチマネーロンダリングシステムの活用が進んでいます。情報系システムに注目すると、マーケティング実施の観点から見れは顧客データ、取引データ、外部データなどを集約したデータウェアハウス(DWH)の導入が一般的になっています。顧客管理システム(CRM:Customer Relationship Management)との連携により、進学や定年なと顧客の各種イベントを利用したプッシュ型のマーケティングが実現されています。また、不正取引をチェックする場合にもDWHが利用されています。

図解:勘定系以外のシステム

【広告】Librus Tech Communityのお知らせ

Librus株式会社が運営する、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーの方向けに展開するコミュニティにぜひご参加ください。「互いに助け合い、学び合う空間」をコンセプトに、システム開発に関するセミナーや勉強会をはじめ、案件や転職先のご紹介、相談対応も行います。エンジニア初心者の方や起業、現在フリーランスをされている方、フリーランスを目指している方も大歓迎です。

▼Slackコミュニティ入会フォーム
https://forms.gle/1D5duKwVJhm1vFb18

 

フィンテックカテゴリの最新記事