今回は株式会社トラストバンクの浪越室長にガバメントクラウドファンディングでの取り組みについて取材させていただきました。

Q:トラストバンク社に入社された経緯をお伺いさせてください。

A:元々はトラストバンク社にウェブマーケティングのコンサルタントとして関わったことがきっかけでしたが、インターネットにおけるプロモーション活動に取り組む中で、特に「糖尿病に苦しむ子供たちに注射ではなく、治る未来を届けたい」という佐賀県NPO支援のプロジェクト(https://www.furusato-tax.jp/gcf/703)に出会ったことが大きな転機でした。

このプロジェクトに数千万円規模の寄付が集まっている状況を見て、世の中の明確な課題に対して、ふるさと納税が有効な打ち手となることに大きな意義を感じ、より多くの人にガバメントクラウドファンディングの仕組みを知ってほしいと思うようになりました。

実際に、プロジェクトオーナーのNPO団体から「ガバメントクラウドファンディングを利用する前は、年間100万円程度しか捻出できなかった研究開発予算が1億円まで拡大した」とお礼の言葉をいただきましたが、社会的意義と同時にそれが一つのビジネスとして成立していることに対して、ふるさと納税の可能性を強く感じた瞬間でした。

これがきっかけで2017年11月から正式に入社し、様々なチャレンジの機会をいただきました。

Q:そもそもガバメントクラウドファンディングとはどのようなものでしょうか。

A:ガバメントクラウドファンディングとは、一言でいうと「自治体が解決したい課題や挑戦したい事業を明確にして資金を募り、共感した人がふるさと納税を活用して寄付を行う仕組み」です。従来のふるさと納税の「自治体のお礼の品を楽しみながら、地場産業や自治体の取り組みを応援する」とは寄付のアプローチが異なります。どちらも「地域を応援する」「課題を解決する」という点では同じですが、ガバメントクラウドファンディングはより具体的、且つ公共性の高い事業に対するソリューションとも言えます。

2013年からスタートしたガバメントクラウドファンディングですが、最近は首里城の再建支援プロジェクトや、災害発生時の緊急寄付窓口としての活用も進み、メディアでも大きく取り上げられ、非常に反響を呼んでいます。

また今年は、自治体がサービス開始以来行ってきたガバメントクラウドファンディングの取り組みが評価され、グッドデザイン賞を受賞しました。これまでご尽力いただいた自治体の皆様には感謝しか無いです。

出典:トラストバンク株式会社 「ガバメントクラウドファンディング」資料より

Q:どのようなステップでプロジェクトが進むのでしょうか。

A:まず自治体からプロジェクトのベースとなるアイディアをいただき、それを基にトラストバンクと自治体で話し合いながらページ構成を決めていきます。

また、クラウドファンディングはページを公開すれば自動的に寄付が集まるものでは決してありませんので、プロジェクトの意義を広く知ってもらうための記者会見やプレスリリース等の広報・メディアアプローチの組み立ても一緒に行い、準備が出来た段階でスタートとなります。

こうした自治体からの発信は多くのテレビ、新聞などのメディアに取り上げられています。「クラウドファンディング」というと資金調達のイメージが先行しがちですが、同時に自治体が行うプロジェクトの意義や、自治体の魅力、地域に対するスタンスを知ってもらうための広報ツールとしても非常に有効です。

このように、自治体に「伴走」して取り組むことで、まちのブランディングに繋げ、プロジェクトを実施する地域住民を巻き込み、まちぐるみで共通意識を持ちながら地域の魅力や取り組む姿勢を発信していくことが、共感を広げるための重要なポイントです。

Q:ガバメントクラウドファンディングにおける具体的な事例を教えてください。

A:「MOMOの打上げ実験成功!次のステージは商業化へ!誰もが宇宙に手が届く未来をつくる『宇宙のまちのロケット開発応援プロジェクト』」というプロジェクトでは、「宇宙のまちづくり」を進める北海道大樹町を支援させていただきました。

プロジェクト終了日、最後の一時間で目標としていた寄附金額500万円を達成し、夜中にも関わらずメンバーみんなでチャット上で大喜びした思い出があります。

https://www.furusato-tax.jp/gcf/531

また「夕張高校は絶対になくさない!日本が直面する課題を学ぶフィールドとなるために。~夕張高校魅力化プロジェクト~」というプロジェクトは、夕張市が財政破綻後、「夕張では何もできない」というあきらめが蔓延し、地域には閉塞感がありました。しかし、「財政破綻(の話)は、もういい。夕張を言い訳にするのではなく、『夕張だからできること』に目を向けたい!」という高校生の言葉をきっかけに始まった高校魅力化の取り組みです。高校生の言葉に動かされた大人たちが主体的に活動し、目標の3倍の資金が集まりました。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/187

今は自治体が主体となって素晴らしい取り組みをしていただいていますが、今後、「ふるさと納税が持つ可能性も活かしつつ、地域で事業に取り組みたい」という民間企業がさらに増えて欲しいと思います。地域と密接に関わりながら自治体と連携し、企画力の高さを活かした事業を沢山創り、地域を元気にすることに力を貸して欲しいです。

Q:ガバメントクラウドファンディングのプラットフォームを推進する上で、どのような人に入って欲しいと思いますか。

A:ポイントは2つあります。

1点目は局面において逃げずにやり切る人であるということ。2点目は大事な場面で自分より相手を優先するメンタリティを持っていることです。

逆に、経験に基づく知見や経験、ネットリテラシー等の後から身につく知識は、入社時点では重要視しておらず、色々な経験を持っている人がいた方が組織にとって良いと考えています。

そうした点で、主に人間性を重視しながら、メンバー全員が同じ価値観やビジョンを共有していることが重要です。そのために、リーダー自身がブレず、毎日自分たちの向かう方向性や持つべきスタンスをメンバーに伝え続けることが非常に大切だと思っています。

そうしていくことで、突然の大規模災害発生時の寄付受付フォームの立ち上げや、今回の首里城のようなスピードが要求される局面において、メンバーそれぞれが、共通の価値感や認識を基に、向かう方向性を定めて動き、私自信が驚くようなチームワークを発揮しています。

 

取材協力:株式会社トラストバンク様

東京都目黒区青葉台3丁目6番28号 住友不動産青葉台タワー14階

事業内容:

〇 メディア事業

・ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」企画・運営

・自治体ポイントが使える通販サイト「めいぶつチョイス」企画・運営

〇 教育事業

・ふるさと納税セミナー

(自治体職員向け、生産者・事業者向け、一般の寄附者向けのセミナーを全国で実施)

〇 その他事業

・「ふるさとチョイスCafé」運営
・「ふるさとチョイス収納代行サービス」運営
・トークンエコノミー、地域通貨「chiica」の企画・運営
・「トラストバンク平戸生月風力発電所」運営
・でんきの寄附「えねちょ」企画・運営
・パブリテック事業

https://www.trustbank.co.jp/