IRオフィサーが知っておきたい、IRイベントにおけるベストプラクティスとは

  • 2018.09.08
  • IR
IRオフィサーが知っておきたい、IRイベントにおけるベストプラクティスとは

IR実務の重要性は日々、高まっている

現在、インターネットを活用したIRは重要性を増しています。今ではフェアディスクロージャーの考え方に則って、IRのホームページ上に適宜、情報が掲載されることがスタンダードになりました。

一方で、オフラインでの投資家説明がIRの基礎として、未だに重要な位置を占めています。

オフラインでのIRはオンラインIRとの整合性が求められており、例えば、注目を集めるような自体が企業に起これば、投資家はすぐにホームページを見に行きます。その際、IRホームページに必要な資料が並んでいなければ彼らは困惑することになるでしょう。

そのような自体でも事前に対面(オフライン)の関係ができていれば彼らと迅速にコンタクトを取ることができます。

大企業であれば、IR部署内に蓄積されたデータベースがあり、おおかたコンタクト履歴や反応などが記載されているため、引き継ぎを受ければ新担当者が重要度に応じて対面の関係を一通り継承できます。

一方、中小企業であればこうしたデータベースの用意も完全ではなく、実際に対面の関係が構築されている絶対数も少なくなりがちです。

ただし、「IR活動をやりたくても、そのターゲットがいない」と短絡的にすり替えて、IR活動に力をいれていない理由にすることはできません。

あるべきIRのプラクティスとしては決算説明会を淡々とこなし、投資家意識調査などを外部のIR支援会社を使って行い、ホームページ上のIRコンテンツを充実させ、かつそれを情報配信会社のサービスを使って金融ベンダーやネット証券に流し続ることが一般的といえますが、これは簡単に行えるものではありません。

そもそも、IRについてどのようなイベントが行われ、またどのようなプラクティスが求められるのでしょうか。ここからは対面の機会となるIRイベントごとのベストプラクティスについて述べていきます。

【決算説明会】

決算説明会は「決算開示のタイミングごとに会社が自発的に開催する」もので、もっともポピュラーで重要なイベントです。具体的には主に以下の内容を報告します。

・当該期の決算状況

・当該期のトピックスや中長期計画の達成状況

・当該期決算を受けての今後の経営戦略など

形式としては「スクール形式かつ参加者もオープンないわゆるラージミーティング」の形式で行うのが一般的となっています。

説明会は1時間程度で終わらせるのがベストです。総括と決算の説明をトップが1人でやる場合もあれば、CFOと分担する場合もあります。

説明会の流れは以下の通りです。

・開会の辞

・出席者の紹介

・トップによる総括(短めに)

・決算の説明(ハイライト)

・通期見通し

・質疑応答

また説明会の質疑応答は一般的なものが多く、特定投資家の意思の表明はできるだけ避けられます。

一方で質疑応答はある程度活発に行われた方が望ましいので懇意にしている出席者に予め、「ご質問のほど、よろしくお願いいたします」と申し入れをしておくと良いでしょう。

誰も最初の質問者になりたくないのではじめは消極的ですが、だれか1人が質問すれば雰囲気が緩和され、呼び水となることが多くあるからです。

また、ある説明会で質問が滞ったときにCFOが「みなさんご遠慮なさって質問を控えているようですが、きっとご関心のある〇〇について当社の見解をご披露させていただきます」と切り出し、これがきっかけになってそのあと質問が出やすくなった事例もあります。これも一つのやり方かもしれません。

【会社説明会】

・ラージミーティング:中期経営計画等の発表がある場合は、前述の決算説明会ではなく別途、会社説明会を設けます。

これは決算説明会と異なり、日時の設定が柔軟にできるので主催する方も調整がしやすい点が特徴です。

最近は個人投資家向けの説明会、証券会社の営業部員向け説明会が注目されています。

・スモールミーティング:決算説明会が報告と質疑応答のスクール形式になるのに対し、スモールミーティングは質疑応答が中心のディスカッション形式として、一つのテーブルを囲む形式になります。

ターゲットとすべき参加者は会社が普段からコンタクトをしているアナリストやファンドマネージャーから選ぶことになりますが、ポイントはアナリストレポートの注目度や新聞、講演等で業界や自社に関する発言で注目を集めている人になります。

その目的は企業理解をより高めてもらうことや正しく戦略を理解した上でのレポート作成や発言を続けてもらうことにあります。

あるいは担当になって間もない人、大手に属していながらも活動や発言内容が弱い人も対象者にすることもあります。これはいわゆるアナリスト育成に繋がります。

こうした一連の流れの中で企業経営者や担当者役員との日常的なディスカッションが重要な役割を果たします。

【個別面談】

大型企業株のIR担当者であれば、セルサイドアナリストに自社のレポートを書いてもらうよう普段から情報を整理して、彼らがレポートを書きやすいように間接的に支援することが日常的な活動になります。

通常はメールや電話等でフォローするべきですが、彼らがリサーチレポートを発行する際には改めて個別面談を求めてくる場合もあります。

大型株企業にとってはその周囲にアナリストが多数いることが投資家に情報を伝える際の重要なファクターとなります。

反面、一人ひとりが異なるアプローチをしてくるので企業としても掛ける時間と労力は相当なものになります。

形式としては取材対応なので、IR担当者がセルサイドアナリストに出向くことはありません。これに対し、バイサイドアナリストへは企業の方から出向くことが多くなります。

バイサイドアナリストとの関係構築においては、先方からの訪問要請があった場合や間に証券会社、IR支援会社などが入ってセッティングされた場合に訪問します。

訪問の際にはトップもしくはそれに準ずる経営陣による説明が必要となります。

また訪問後のフォローも大事になります。特に、トップがプレゼンテーションをしても投資行動に結びつかなかった場合、その理由を探ることはIR担当者の重要な使命でもあります。

通常、証券会社がアレンジした個別面談の場合はフィードバックが取りづらいようですが、独立系IR支援会社であれば匿名を条件に価値あるフィードバックリポートが手に入ります。

【株主総会】

企業には様々なステークホルダーが存在しています。各種各様なステークホルダーの中にあってバランスの取れた経営を行うことがコーポレートガバナンスに適うとされています。

しかし、何をもってバランスの取れた経営を推し量るのか、その尺度は混沌としています。

そうした状況下、毎年の株主総会が行われています。株主総会は二種類存在します。

まず一つが定時株主総会、もう一つが臨時株主総会です。

定時株主総会とは、毎事業年度の終了後、一定の時期に年に1回必ず開催される株主総会のことをいい、通常は、会社決算後3ヶ月以内に開催するべきとされています。

1年を1事業年度と定める会社がほとんどですが、半年を1事業年度とする会社では、半年に1回定時総会を招集することになります。

定時株主総会では、当期事業年度の決算報告・承認、事業報告の内容の報告、剰余金の配当等が主要な議題とされます。

また、本総会で役員の任期が満了する場合には、役員の選任、あるいは定款の変更などの議題も上程されます。

定時株主総会は、事業年度終了後3ヶ月以内に開催する必要があり、その3ヶ月間に、決算・監査・株主総会招集手続きを行います。3月決算の会社では、3月31日を基準日とし、6月末に株主総会を開催するのが一般的です。

臨時株主総会は、緊急の定款変更等を行う場合や、資本金を増額する場合に開催します。臨時株主総会を開催する理由には、以下のようなものが考えられます。

・取締役の欠員による補充役員の選任

・事業目的追加による定款変更

・非公開会社において急遽、第三者割当増資をする時や、新株予約権を発行する時

定時株主総会と臨時株主総会の相違点は、招集時期と付議事項に関する点のみで、招集手続きや決議方法などに違いはありません。

会社法施行以前は、臨時株主総会において計算書類の承認・剰余金の配当の決定等が認められていませんでした。

しかし、会社法施行後、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(臨時決算日)の財産状況を把握するために、臨時株主総会で臨時計算書類の承認(会441条4項)も可能になりました。

また、剰余金の配当もいつでも出来るようになり(会454条1項)、臨時株主総会の決議があれば、事業年度中に何度でも剰余金の配当を実施できます。

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なお、近年様々な決定権限が株主総会から取締役会に移されいるのが現状です。極端に言えば株主総会は経営陣の再任の是非を確認する会になろうとしています。

すでに東京証券取引所は2010年6月分科会分から株主でなくても招集通知が閲覧できるようにサイトを立ち上げ、企業も機関投資家も議決権行使の結果を公にするようになっています。

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