経営者必見!株主総会の考え方とこれからの動向について

  • 2018.09.10
  • IR
経営者必見!株主総会の考え方とこれからの動向について

そもそも株主総会は何のために行うのか

ベンチャーキャピタルや投資家などから資金調達を行なっているベンチャー企業に限らず、多くの企業でIR活動や株主報告が悩みのタネとなるケースが散見されます。

また法律によって規定されているからやっている、と形式的に思われることも多く、事務的に煩雑な内容も多々あります。

そもそも、なぜこのような手続きを毎年経なければならないのでしょうか。

今回は「株主総会の目的と社会的な動向」に焦点をおいて解説していきたいと思います。

株主総会の目的、背景

株主総会を開く目的は会社の基本的な方針株主の総意によって決定することにあります。

株主総会は、個々の株主から構成されています。したがって、それぞれの株主が株主総会に参加して決議を行い、決定するようになっています。

株主総会を運営する会社側としては、会社の機関としての株主総会を法的に問題なく成立させるように注意を払わなければなりません。

そして、総会に出席した株主が正しい判断を下せるように適切な情報を開示し、株主総会がムダなく効率的に進むように段取りをよくするなどの配慮が重要です。

 

そもそも株主総会って何?

株主総会はその会社における最高の意思決定機関である、とされています。

つまり、その会社を実際に経営している経営者が適切な経営を行っているかどうかを株主監視するという意味合いも持ちます。

こうしたことから株主総会は会社の基本的な方針や重要事項について意思決定を行う、とされています。

一方、会社が活動を続ける限り、そうした重要事項以外にも決定しなければならない事項はたくさんあります。

株主総会で決めることとされている事項以外のことを決定する権限は取締役に委ねられています。

この株主総会の役割については、その会社が取締役会を設置している会社(取締役会設置会社)であるか、取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社)であるかによって異なります。

取締役会設置会社の場合には所有と経営の分離の原則が働きます。

会社の経営については取締役会が意思決定を行い、それ以外の事項で会社の重要、基本的な事柄については株主総会が意思決定を行います。

一方、取締役会非設置会社の場合には、株主総会の役割は非常に大きなものとなります。

会社法で定められている事項、会社の組織と運営、管理をはじめとするー切の事項について、文字どおり会社の最高の意思決定機関として、決議することができるとされています。

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株主総会の権限

株式会社の場合、本来的には所有と経営の分離を原則としており、特に取締役会設置会社の場合には、その取締役会が経営のプロとして会社の経営に関する意思決定を行う機関として機能します。

しかし、会社法の定めによると取締役会設置会社の株主総会の権限はかなり限定的なものとなっています。

具体的には、会社法とその会社の定款の中に株主総会で定めるべきであると定められている事項についてだけ、株主総会で決議をすることができます。

なお、こうした事項を基本的事項と言います。

一方、取締役会非設置会社の場合、所有と経営は分離されていません。

取締役会非設置会社は、比較的規模の小さい会社が多いため、株主は所有者として基本的事項だけ決定すればよいというわけではなく、積極的に経営にも参加していこう、という姿勢がとられています。

こうした理由から、取締役会非設置会社の株主総会は、基本的事項だけでなく、会社に関するー切の事項について決議をすることができます。

なお、会社が公開会社である場合には、取締役会を設置しなければならないとされています。公開会社ではない会社であっても、定款で取締役会を設置することはできます。

 

コンプライアンスの観点

会社におけるコンプライアンスとは、法律などの基本的なルールにしたがって活動を行うことを言います。

コンプライアンスは、企業の組織のあり方や企業統治(コーポレートガバナンス)の基本原理のーつといえるでしょう。

単に法律を守るといった狭い意味だけでなく、もっと幅広く社会的な常識やモラルを守った行動をとること、またその企業独自のルールを作って自らそれを守ることなどもコンプライアンスに含まれます。

今日盛んにコンプライアンスの重要性が叫ばれるようになりたのは、コーポレートガバナンスが重要視されたのと同じような理由によります。

つまり不祥事を起こしたり、法律違反をしてしまう会社が相次いだため、社会全体が会社のモラルを厳しく追及するようになってきた、ということです。

法律違反を繰り返す会社や取衙役の不祥事が明るみに出た会社などは、その会社ヘの信用が低下してしまいます。そうすると、その会社と利害関係のある人や企業(ステークホルグー)は大きな損害を被ってしまいます。

その会社が市場からマイナス評価を受け、株価が大暴落してしまった、という事熊になってしまうと、株主としてはたまったものではありません。

株主総会では会社にこうしたことが起こる危険性はないか、どのような対策をしているか、そもそもコンプライアンスを重視した会社であるのかどうかといった点について、株主から厳しい目を向けられていると言えます。

しかし、これは逆に考えると会社の信用を高めるチャンスでもあります。株主総会は会社がいかにコンプライアンスを重視しているかを株主に説明できるよい場でもあるのです。

したがって、事前にコンプライアンスに関する会社側の取り組みを資料にまとめ、具体的にどういった対策をとっているのかを示すことができれば、企業として高い信頼を得られることもできるでしょう。

 

従来の株主総会の問題点

株主総会と言うと、緊迫した雰囲気の中で出席した株主からの発言もなく、淡々と議事を進行し、時間が来ると閉会というイメージがあるかもしれません。

また、株主の席に総会屋が陣取って怒号が飛び交うイメージがあるかもしれません。いずれも以前の株主総会ではよく見られた光景です。

株主総会の場で何の発言もなく、ただ取締役会の意向のままに議事が進むような会社は、多くの場合は長期にわたって株式を保有する安定株主に支えられており、個人の株主の割合は少なかったようです。

安定株主は、売却益を期待して株式を購入する株主(浮動株主)とは異なってその会社の業績や株価に影響されずに長期間株式を保有します。

たとえば、その会社の親会社や自社の従業員の持株会、創業者一族、主力銀行などが安定株主と言えます。

株主総会の構成員の大部分がこうした安定株主で占められている会社の場合、会社側にも株主に業績を説明して信任を得よう、という考えがあまりありませんでした。

ざっくりというと法律で株主総会を開催しなければならないから開催しているにすぎないという状況だったのです。

こうした状況では、仮に総会で何か発言しようと思っていた株主がいたとしても、発言しにくい場の雰囲気に流されて発言できないことが多く、結果的に株主総会は形骸化していきました。

実際過去の経緯として、株主総会を開く会社側は、他の会社の株主総会が集中する日に自社の株主総会をぶつけて、株主が総会に参加しにくい状況を作り上げたり、議場に自社の株式を有している従業員を株主として配置し、議事にひたすら賛同する雰囲気を作り出すといった方法で、株主総会が滞りなく終わるように工夫していました。

一方、総会屋が登場して、株主総会を荒らすようになってからは、会社側はその対策に追われることとなりました。

会社側が総会屋に金銭を渡すことを利益供与と言いますが、総会屋の妨害を恐れた会社側が、総会屋に株主総会の妨害をしないことを約束させ、その見返りとして金銭を渡すケースも出てきました。

さらには、総会屋の方から「妨害しないから金銭を渡せ」と要求され、要求に屈した会社側が金銭を渡してしまうケースもありました。

このように、ひたすら議事が進行するような場合でも、総会屋が横行するような場合でも、結局会社側はいかにして株主総会を滞りなく終了させることができるか、という点に重点を置くようになり、株主総会はその意義を失ってしまってしまいました。

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株主総会の最近の動向

以前は、友好関係にある企業同士で互いの株式を持ち合うことが頻繁に行われていましたものの、現在に至るまで規制緩和の流れを受けて外国人投資家や個人投資家が日本企業の株式を保有する機会が増え、持ち合いは大幅に減少しました。

多くの企業の株主に機関投資家外国人株主個人株主などが増えているのです。

機関投資家は、預かった資金を投資する立場にあるため、リスクには敏感に反応します。

扱う資金の額が大きい機聞投資家は、会社にとっては大口の株主と言えますから、その意向は注意を払わざるを得ません。

一方、外国に住んでいる個人や法人は外国人株主と呼ばれています。

外国人株主はもともと株主としての権利意識が高いため、たとえば株主の権利をめぐって定款(会社の根本規則)を変更する場合には高い関心を寄せ、代理人などを通じて総会に積極的に参加してきます。

日本国内の個人株主も、従来の物言わぬ株主とは異なって、議決権の行使という形で株主総会に積極的に参加する姿勢を見せていると言えます。

このように、最近は、会社の所有者である株主が積極的に株主総会に参加すべきだという考えが広まっており、実際に株主権を有効に行使する株主が増えています。

会社側でもリスクに敏感な株主の傾向を路まえ、自社の情報をオープンにしています。

IR活動のー環として各企業でとりあげられている方法としては、自社のホームぺージ上にIR活動という項目を作り、そのぺージで適時必要な情報を更新する、という方法があります。

ホームページは広くー般の人が見ることができますから、公平なものと言えます。

また、情報の更新をすばやく行うことが可能なためタイムリーな情報を継続的に提供するという点でも非常に向いている方法と言えるでしよう。

もともと計算書類などについては法律上、開示することが求められていますが、IR活動を積極的に行う会社では、それ以外にも投資家が投資を行う際に必要とする情報を積極的に開示しています。

IR活動を積極的に行っている会社は、何も情報を開示しない会社と比ベると、それだけ投資家の信頼を得やすいといえます。

会社が開示する情報によって健全な企業活動を行っていること、業績が上向いていることなどが投資家に伝われば、それだけその会社の魅力は増し、市場の評価も高くなると言えます。

こうした活動を通じて会社と投資家の間での意見交換が活発になれば、互いの信頼関係は深まります。せっかく株主総会を開くのですから、これをIR活動の場として利用しないのはもったいないことです。

こうしたことから、株主総会をIR活動のー環として利用し、投資家に対して具体的にわかりやすい情報を伝える場として利用している会社は多くなっています。

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