<はじめに>株主総会ではどのような資料が必要とされるのか

株主総会では様々な事務作業や資料の作成が求められますが、起業して期間の短い経営者やまだ経験の浅い財務担当者は戸惑うことも多々あるのではないでしょうか。

そこで、今回は株主総会の資料について解説します。

【議決権行使書面】

なぜ作成するのか

株主が総会に出席する場合には議場で賛否の意思を示すことができますが、事前に書面で投票する場合には、その意思を表示するものが必要となります。それが議決権行使書面です。

議決権行使書面は、株主が事前に議決権を行使する場合に、その権利の行使を有効なものとするために作成されるものです。

このように、書面投票制度が認められている会社の場合には、招集通知と共に議決権行使書面を株主に送ります。

また株主が議決権を行使する際に判断材料となる株主総会参考書類も一緒に株主ヘと送付されます。

記載事項にはどんなものがあるのか

議決権行使書面は株主総会に出席しない株主が議決権を行使するための書面です。したがって、その書面を見ればその株主がどの議案について賛成していて、どの議案に対しては反対しているのか、はっきりとわかるようにする必要があります。

まず各候補者の選任各役員等の解任など、各議案についての賛否を記載する欄を示します(棄権の欄を設ける場合にはその欄も作成します)。

また「書面による議決権の行使がいつまでできるのか」という期限についても明示する必要があります。

その議決権行使書面を使って議決権を行使する株主の名前(法人の場合は法人の名称)、その株主が有している議決権の数も記載しなければなりません。

なお、その株主が議決権を行使できる議案とできない議案がある場合にはできる議案あるいはできない議案を記載しておかなければなりません。

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書面の書き方

書面は株主の意思がどの議案に対して向けられたものなのか、またその株主が賛成しているのか反対しているのか、わかるようにしなければなりません。

したがって、総会に上程する議案名を書き、議案ごとに賛否を記載できるようにします。具体的には、「賛」「否」などと予め記載しておき、株主はどちらかを◯で囲むだけで議決権を行使できるような形式にするとよいでしょう。

そして議決権を行使すべき株主の氏名または名称及びその株主が行使することができる議決権の数を株式数として「◯◯株」といった形式で記載し、議決権が行使できる期間と共に明記します。

【委任状】

委任状とは何か

株主総会で,議決権を行使する構限を持っているのは株主です。しかし、この株主本人が総会に出席できない場合、自分の代わりに誰かに出席してもらって議決権を行使してもらいたい、と思うかもしれません。

この場合、株主は、自分の代わりに株主総会に出席して議決権を行使する人に、自分が有している議決権を行使する権限を与えなければなりません。そしてその代わりの人に議決権を行使する権限を与えていることが、誰から見ても明らかなようにしておかなければ、その人は議決権を行使することができません。

会社としても、いくらその人がその株主の代理人であると主張しても、それを証明するものがなければ、議決権を行使きせるわけにはいきません。

このような場合に必要となるのが委任状です、このように委任状とは自分が行うことを誰かにやってもらう場合に作成する書面です。

株主総会の場合、株主代理人議決権を行使させるときに必要となります。

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どのようにして利用するのか

会社は、株主が代理人に議決権を行使させることを禁止できません。ただ誰でも代理人となれるようにしてしまうと、その会社の株主以外の者が株主総会を妨害することも考えられます。そうなると、会社としては対処に苦慮することになります。

そこで会社法は、株主が代理人を立てることを認めると共に、会社側がその代理人となる者の資格を定めることも認め、バランスを図りました

具体的には「代理人をその会社の他の株主に限る」と定款に定めることが認められています。これによって、会社としても株主以外の者に株主総会を妨害されることを防ぐことができるようになっています。さらに会社側は、株主総会に出席できる代理人の数を制限できます

ただ、代理人はその会社の株主に限るということになると、多くの株主は、代理人を見つけられず、議決権を行使することができなくなります。

そのため、多くの会社は委任状勧誘を行っています。委任状勧誘とは会社が代理人の斡旋をすることです。

なお、委任状は、株主が代理人によって議決権を行使する際に提出する必要があります。株主が代理人に代理権を与える場合には、株主総会が開催されるたびに、改めて行わなければならない、とされています。したがって、「今後◯◯氏を私の代理人とする」などと記入した委任状を作成することはできません。

委任状を取り扱う上での注意点とは

委任状を持った代理人が株主総会に現れた場合には,原則として株主と同様の待遇をしなければなりません。その際、委任状の内容をよく見て、その人が株主の代理人であることを確認した後に株主総会の会場ヘと案内することになります。

その際確認すベきポイントは、その代理人が代理人の資格要件を満たしていたかどうかです。

その会社の株主でなければ代理人になれないという条件をつけている場合、その代理人はその会社の株主であるはずなので、確認をする際には、その代理人自身が株主として持っている議決権行使書面株主総会ヘの出席票を見せてもらって本人であることを確認するとよいでしょう。

なお、慎重を期する場合には、委任状だけでなく、代理人が委任を承諾したことを証した受任承諾書の提出を求めるのもよいでしよう。

株主が法人の場合、株主総会に法人が出席できるわけではありません。株主総会に実際に出席するのは当然、その法人の代理人となります。その代理人を確認する場合はその人が株主である法人の従業員であるかどうかを確認すれば足りるでしよう。

また、このような場合には、その従業員自身がその会社の株主ではなかったとしても問題はないので、その来場者自身が株主かどうかまでは確認する必要はありません。

なお、委任状勧誘の場合も、議決権の行使を代理人に委ねることになるため、委任状が必要となります。この委任状勧誘は一定の定足数が必要な事項について、会社側がその株主総会で決議を成立させたい場合に、出席した株主の数が定足数に満たない事態とならないように行うことがあります

委任状用紙を受け取った株主が第三者に議決権を行使して欲しくないと思った場合には、自分が出席すればいいわけですから、会社側から株主に対して委任状勧誘を行ったとしても、特に株主に無理強いをすることにはなりません。

したがって、ある決議を成立させたい場合そのためにはー定の定足数が必要であることがわかっている時、株主総会の招集通知の際に委任状用紙も同封して勧誘する方法が確実であると言えます。

勧誘する際の委任状には受任者名(株主の議決権を代理して行使する人の名前)及び日付の部分を空白にしたまま送る方法が考えられます。この場合、株主は議決権行使を委任する人を特定しないまま署名して会社に返送することになります。

このようにして返送されてきた委任状の受任者の欄に議決権を代理で行使するのに適当と思われる人を記載して受任者とすることができます。もちろん、受任者の候補が予め決まっている場合には、受任者名を記載した委任状を送付することもできます。

【株主総会参考書類】

どんなものなのか

株主総会参考書類とは、書面投票制度電子投票制度を採用している会社が株主総会の招集通知を行う際に株主に送ることが義務付けられている資料のことです。

株主総会参考書類の送付が義務付けられているのは、株主総会に出席せずに事前に議決権を行使する株主が、必要な情報を得られるようにするためです。したがって、添付する株主総会参考書類には、まず株主総会でとりあげられることになっている議案を記載します。さらに、その議案に関して、株主総会で報告しなければならない調査結果がある場合には、その結果の概要を記載します。

なお、株主総会参考書類に記載しなければならない事項は、株主総会で決議する予定の議案の内容ごとに決められています。

たとえば、取締役や会計参与、監査役、会計監査人の選任に関する議案をとりあげる場合には、それぞれ選任される人の氏名をはじめとしてその人の選任の当否について判断するために必要な情報を記載しなければなりません。

役員の解任や報酬、計算関係書類の承認といった議案もあれば、定款変更などについての承認といった議案もあり、それぞれ求められる記載内容は大きく異なります。

したがって、実際に株主総会参考書類を作る時には、どのような議案がとりあげられる予定であるかを確認し、それに必要な資料を準備することになります。

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インターネットによる開示も認められている

株主総会参考書類ヘの記載事項のー部は、インターネット上に開示することで、省略することができます。ただし、すべてを省略できるわけではありません。

このように、インターネット上に株主総会参考書類の記載事項のー部を開示してそのアドレスを株主に通知した場合、開示した事項については株主に提供したものとされます。これをみなし提供と言いますが、みなし提供をするには、予め定款でみなし提供をする旨を定めておかなければなりません。

定款に定めるには、株主総会による決議を経る必要があります。また、株主総会による決議を経て、みなし提供を定款に定めたとしても、ただインターネット上に株主総会参考書類の記載事項のー部を開示すればよいというものではありません。

みなし提供として認められるためには、その株主総会の招集通知を出す時からー定期間継続してインターネット上で開示する必要があります。このー定期間とは、株主総会が開催された日から3か月が経過した日までです。