広報としてのIR
別の切り口として、「広報としてのIR」について考えてみます。
日本IR協議会はIRを以下の通り、定義しています。「IR(投資家向け広報)とは、株式公開(上場)企業が株主や投資家に対し、投資判断に必要な企業情報を適時、公平、継続して提供する活動のこと」。企業はIR活動によって、資本市場で適切な評価を受け、資金調達などの戦略につなげ、株主·投資家も情報を効率よく集めることができます。
その目的とは、企業の経営状況を法律に則って公表し、将来の経営見通しについて数値をべースに公表することです。例えるならば、自分の健康状態を、世話になっている人(株主)や今後世話になる人(機関投資家·個人投資家)にきちんと知らせることなのです。近年は特に、株式のネット取引の利便性が急速に高まり、個人投資家向けIR活動が盛んになりました。株主ヘの報告書やウェブサイトの充実が図られ、株主総会が活発化したり、個人投資家向けのイベントやフェアヘの参加が増えたりするケースが多くなっています。

投資判断に必要な情報とは、一般には有価証券報告書、決算や増減資などの財務情報やM&A(企業の買収合併)や企業統治情報です。これらは、会社法や金融商品取引法あるいは証券取引所の規則などによって情報開示が義務付けられているもので、一般に制度的開示(ディスクロージャー)と呼ばれています。また、四半期ごとに、業績見通しやより細かなセグメント情報に関して報告する義務があり、これが適時開示(タイムリーディスクロージャー)です。
企業はトップ率先、自発的に良い時も悪い時も公平性·透明性·情報開示性を常に堅持し、ビジョンや経営戦略の理解と浸透を図ります。そして、安定した業績を残し、将来の成長性を高めることが求められます。それによって顧客、株主·投資家、一般社会など·わゆるステークホルダーに対して信用·信頼を構築し、市場に評価されるのです。
これからは、社会貢献に力を入れる企業に投資するS R I(社会的責任投資)を進め、投資促進のための戦略的I R活動が盛んになることでしょう。

いかがでしたでしょうか。コーポレートガバナンスに対する社会的な注目も高まる中で、上場企業に限らず、ベンチャーを含む非上場企業でもIRやSRの考え方は広がっており、特に株主総会の実務は非常に重要な役割を担っています。
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