ベンチャー経営者こそ知っておきたい、株主総会の進行実務と議長の権限、役割について

  • 2018.10.16
  • IR
ベンチャー経営者こそ知っておきたい、株主総会の進行実務と議長の権限、役割について

<はじめに>代表取締役が株主総会の議長になる!?

IRを適切に行い、会社のガバナンス体制を整える上で株主総会は非常に重要ですが、そもそもその議長は一般的に代表取締役が行うことはご存知でしょうか。

今回は知っておいて損はしない、株主総会の進行実務と議長の役割について解説します。

株主総会における議長の役割と権限

株主総会にあたって何のために議長が必要なのか

株主総会の議事の進行は議長が行います。誰が議長となるかは、定款に定められている場合にはその定めに従って決めます。

もし定款に規定がない場合には、その株主総会の場で議長を選任することになっています。実務上は、定款に議長を定めておくのがー般的です。また、たいていの会社ではその会社の代表取締役が議長となります。

議長は、株主総会の議事を整理·進行し、秩序を維持する役割を担っています。また、会社が株主に対して負っている説明義務を履行するのも議長の役割です。

報告事項や議案に関連した発言がなされる場合にその発言者を指名したり、株主からの質問に回答する担当役員の指名を行うなど、実際に議事が進行していく中で誰が発言をするのか、という重要な問題についての適切な交通整理役を果たします。

株主からの質疑応答についても、十分な審議が尽くされた頃合いを見計らって打ち切り、採決ヘと進行させる役割も果たします。

議長の権限はどのようなものか

議長には、株主総会の議事を円滑に進めて秩序を維持する役割を果たすために必要な権限が与えられています。

議長の権限として会社法が定めているものに、議事整理権秩序維持権退場命令権があります。

議事整理権とは、議事を円滑かつ適正に進める権限を言います。議長はこの権限に基づいて、たとえば、同じ質間を繰り返す株主に対しては質間を簡潔にまとめるように促したり、一人でいくつもの質問をし続ける株主に対しては質問の区切りを定めます。

また、質問者以外の者が発言をして、質問者が黙ってしまった場合には、質間者の発言を促すと共に、他の者に対しては発言を控えるように指示をします。

議長はこうした議事整理権を行使して、議事を適切に進行させますが、中には議事の進行を妨害する株主がいるかもしれません。

たとえば、株主や取締役が発言している最中に野次を飛ばしたり大声で怒鳴ったり、大きな音を鳴らすといった行動をとる株主に対しては、議長はやめるように説得したり警告を発する権限を持ちます。

議事の進行を妨げるために長々と質問を操り返す株主に対しては、以降の発言を禁止する措置をとることもできます。

議長がこのような措置をとれる根拠は秩序維持権です。この秩序維持権を行使しても妨害がやまない場合、議長は退場命令権を行使して、問題の株主を退場させることもできます。

このように議長には株主総会を円滑に運営するために強力な権限が与えられています。もっとも、この権限を不適切な方法で行使してしまうと、決議が取り消されてしまう可能性もあるため、その点には注意しなければなりません。

株主総会における議事進行の実務

議事進行の実際

株主総会の議事については、会社法などで進行方法を規定しているわけではありません。したがって、議長が適切な方法で進行すれぼ特に問題が生じることもありません。

株主総会の招集通知に議事進行の大まかなスケジュールを記載しますから、原則としてそのスケジュールに従って議事を進めることになります。

ただし、議事の進行について招集通知に記載した順番とは異なる順番で進めたほうが合理的な場合には、議長は自分の裁量で順番を変更して進めることも可能です。

たいていの会社では、まず報告事項の報告を行い、質間を受け付けた後に頃合いを見計らって事前質問に対する回答ヘと進んだ後、決議事項に関する議案の説明·上程·審議·採決という流れになります。

代表取締役が議長となる会社が多いことから、この報告事項の報告については、議長が行うケースが多いようです。報告の際には、株主が理解しやすいようにはっきりとわかりやすく報告する配慮が必要でしょう。

また、報告事項の説明中に出席株主からの質問などがなされる場合もありますが、とにかく最後まで報告するようにして、報告を終えてから質問を受け付けるようにします。

報告の途中で遮られることのないように、報告を始める前に、報告後に質問を受け付ける旨を伝えておくとよいでしょう。

それでも途中で報告を連られてしまって他の株主の集中力も削がれるような状況となってしまった場合には、一度報告をやめて、議長として毅然とした態度で、後ほど質問を受け付ける旨を伝え、発言を控えるように注意することも重要です。

なお、株主からの質間を受ける際には、できる限り多くの株主が発言できるようにする必要があります。発言の機会をめぐって、株主間に不公平が生じるようなことのないように、注意してください。

特に会場が広い場合や複数の会場で行っている場合には、目前にいる株主のことだけでなく、後方にいる株主やモニターの先にいる株主にも公平に質問の機会を与えるように配慮する必要があります。

議案の上程と審議のやり方

報告事項と事前質問ヘの回答が終わると、議案の上程審議採決を行うことになります。

この議案の上程や審議·採決の方法については、特に法令上の定めがあるわけではありませんから、会社ごとにやりやすい方法で行うようにしましょう。ただ、会社がやりやすいようにとは言っても、株主にとってわかりにくい方法は好ましくありません。

議案の上程·審議·採決については、たいていの会社ではー括上程方式あるいは個別上程方式がとられています。一括上程方式とは、当日とりあげるすべての議案をー括して読み上げた上で、すべての議案を対象として審議を行い、最終的に行う採決もー気にすべての議案について行う、というものです。

一方、個別上程方式の場合には、ーつひとつの議案を逐ーとりあげ、説明·上程·審議·採決というプロセスを経て、次の議案にとりかかる、という方法です。

株主にとって丁寧でわかりやすいのは個別上程方式ですが、議長にとっては大変な方法です。個別上程方式の場合には各議案についていちいち説明·上程·審議·採決という手続きを行わなければならないからです。

同じプロセスを何度も操り返す作業は、議長にとって大きな負担となります。また、議長はどの議案にどの程度時間がかかるのか、時間配分に注意しながら進めていかなければなりません。しかし、実際に時間を把握し議事をコントロールすることは難しいといえます。

一方、一括上程方式の場合には、すべての議案を対象として審議を進める関係で、議長としては議事の進行をコントロールしやすいといえます。ただし、株主にとっては、現在審議をしているのはどの議案にっいてなのかわかりにくい、採決を行うときには、最初の頃に審議されていた議案の内容を思い出せない、といった事態となる可能性があり、不親切な印象を与えかねません。

議案の上程と審議の方法については、以上のようなメリットとデメリットをよく吟味した上で、会社にあった方法をとるようにしましょう。

そしていずれの方式をとったとしても、デメリットをカバーできるように工夫して、株主·会社側双方に負担の少ない方法となるようにするべきです。

株主提案権の行使があった場合の議事の進行

株主提案権の行使が事前になされ、招集通知にも議案を記載している場合には、その他の議案と同様に進めてかまいません。株主提案の議案が会社提案の議案に対する修正案であったり反対案である場合には、株主がどちらの議案に賛成するかを判断しやすいように両方の議案を同時に扱う方法をとるとよいでしよう。

また、株主総会当日株主提案権の行使があった場合には、その場で審議·採決といった流れとなります。

なお、株主提案権の1つである議案提出権は、以前にその議案と実質的に同じ内容の議案が過去に提案されていて、その時に総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られていなかった場合、その日から3年経過していなければ再び同様の議案を提案することはできないことになっています。

したがって株主が議案提出権を行使して採決に至ったものの10分の1以上の賛成を得られなかった場合には、3年後までは同じ議案が提案されても受け付ける必要がなくなりますから、後に確認できるようにしておくとよいでしょう。

動議とはなにか

議案を撤回するときの進行

議長は、議案の撤回の動議を出席株主に対して提出することができます。出席株主が動議について承認すると、議長はその議案を撤回できます。株主が提案した議案でも会社が提案したものであっても、議長は撤回の動議を提出できます。

会社が提案した議案について撤回の動議を提出する場合は、事前に撤回について取締役会の決議(取締役会非設置会社の場合には取締役の過半数のー致)を経ていることが前提となります。

本来、株主総会が開催される前の段階で議案を撤回することが決まっていた場合でも、その決定が招集通知を発送した後になされた場合には、招集通知に記載している内容を変更しなければなりません。招集通知に記載した議案を変更する場合には、法令が定める要件を満たし、招集通知を再発送しなければなりません。

こうした手続きを踏んでいる時間的な余裕がない場合に行われる方法が、株主総会当日に議長が議案の撤回の動議を提出するという方法です

このように、会社提案の議案の撤回の動議については、事前に取締役会(取締役)の決議(過半数のー致)を経た上で、棒主総会当日に議長が出席株主に提出し、議場に諮ります。その結果、出席株主による承認を得ることができればその議案を撤回することができます。

取締役や監査役には株主の求めに応じた説明義務があります。ただ、議事において、同じような質間が繰り返されていたり、説明する義務のない内容についての質問が繰り返されているような場合には、議長は質疑応答の打ち切りを検討します。

また、審議についても、意見が出尽くしており、それ以上審議を続けても何の進展も望めないような場合には、審議を打ち切って採決に移る必要があります。質疑応答や審議の打ち切りは、議長が行います。議長には議事整理権がありますから、その権利の行使として認められています。

ただ、審議を尽くしていない場合や、まだ質問されていない内容が多く残っている状態で打ち切りを強行してしまうと説明義務違反となってしまいます。

質間や審議を打ち切るべき頃合いとなったと判断した時には、議長は質疑の打ち切りの動議を提出し、議場に諮るようにします。出席株主も審議が尽くされたと考えている場合には、動議は承認されるでしょう。承認された場合、株主の納得も得られたものといえますから、後に説明義務違反を問われるリスクを回避することができます。

動議の種類

動議とは、一般的には予定していた議案以外の事項を議事とするために発議することを言いますが、議案の撤回の動議のように、すでに株主総会の議案として提出されていた議案を「撤回することの提案」といった意味で使われる場合もあります。

議案の撤回の動議は議長と株主の双方が提出できますが、これは議案の撤回の動議に限りません。株主総会における動議全般に言えることですが、株主と議長は、動議を提出することができます。

株式会社でなされる動議には、議案の内容に関わる動議と議事進行の手続きに関する動議があります。

議案の内容に関わる動議を修正動議と言います。修正動議は、株主総会の目的事項について株主総会の決議を求める意見表示を行うことを言い、実質的動議と呼ばれることもあります。

一方、議事進行の手続きに関する動議は、株主総会の議事進行について株主総会の決議を求める意思表示を行う場合で、手続的動議と呼ばれています。

動議の提出のタイミングは

株主から提出される動議は、その内容やタイミングを予告されているわけではないため、いつどんな内容の発言がなされるかわからず、なされた発言が動議にあたるのかどうかをそのつど判断しなければなりません。

この判断は、議長にとっては非常に対応が難しいものです。そこで、議長が他の職務にも集中できるようにするために、動議を提出できるタイミングを予め株主に説明しておき、それより前の発言を禁止しておく、といった工夫をすることが大切です。

実際、議長は議事整理権を有しています。判例も議長がこの議事整理権に基づいて、株主が動議を提出できる時期を決定することを認めています。実務上、多くの会社が手続的動議と実質的動議を提出できるタイミングを別々に定めています。

手続的動議の提出時期に関しては、「事業報告などの報告事項を報告し終えた後」などと定めます。一方、実質的動議の提出時期に関しては、それが議案についての修正動議である場合にはその対象となる議案(原案と言います)が提案された後に認めているようです。

議長の対応の仕方

議長には議事整理権がありますから、株主から動議が提出されたかどうかを常に判断し、適切に議事を進めていくことが求められます。ただし株主総会の議事進行役を務めながら、株主から表明される意思について、それが動議であるかどうかを確認する作業を随時並行して行うのは大変です。

動議の提出は、議長が明確に認識できる方法で行わなければならない、とされていますが、株主の意見が動議であるかどうかを見極める作業を議長一人が行うのは負担が重すぎて現実的な方法とはいえません。

そこで、株主の意思表示が動議にあたるかどうかの判断については、基本的に事務局が行うようにするとよいでしょう。

通常、事務局は議長の支援を行うために議長の後ろに控えています。この事務局の場所からは株主の様子がよくわかりますから、事務局に詰めている者は、株主が動議を提出したかどうか認識しやすいといえます。

したがって、事務局の方で株主が動議を提出したことを認識した場合には、速やかに議長に伝えるようにしておけば、議長の負担を軽減することができます。このように、総会では、事務局と議長が常に連携をとることで、株主の意思を適切に取り扱うことができます。

具体的には、株主の発言内容から、それが動議に該当すると判断した場合には動議が提出されたものとして取り扱い、単なる意見であると判断した場合には、議案についての株主の意見として取り扱い、審議を続けることになります。

万が一、議場に諮らなければならない動議を単なる意見として取り扱ってしまった場合には、後に訴訟を起こされて決議が取消されてしまう可能性もあります。

手続的動議とは

手続的動議は、議事の進行や株主総会の運営に関する動議です

手続的動議には、必ず議場で諮らなければならない動議とされているもの(必要的動議)と、議場で諮ることが義務付けられているわけではなく、議長の裁量で議場に諮るかどうかを判断できる動議(裁量的動議)とされているものがあります。

必要的動議には、株主総会の延期や続行に関する動議資料等調査人選任の動議会計監査人出席要求の動議があります。

なお、議長の不信任の動議が提出された場合、会社法上議場で諮らなければならない旨が定められているわけではありませんが、その性質上、議場に諮る必要があります。これは、動議の対象である議長が、自身の裁量で議場に諮るべきか諮らずに済ませるかの判断を下すわけにはいかないからです。

以上のように、手続的動議については、議場に諮る必要のある動議が具体的に会社法上で定められているため、議場に諮るべきか否かの判断については実質的動議と比ベると判断しやすいと言えます。

ただ、議長の負担はなるべく減らしたほうがよいのは間違いありませんから、手続的動議についても、議場に諮るベきか否かの判断を事務局に委ねたほうがよいかもしれません。

あるいは、議場に諮る必要がないと思われる動議についても一律に議場に諮るようにしてしまうのも、後に株主総会決議取消の訴えを提起されるのを回避するという意味で安心できる方法の一つといえます。

修正動議とは

議案について提出された動議を修正動議と言いますが、株主から会社の提案する議案に対してこの修正動議が提出された場合には、議場に諮る必要があります。議場に諮った後は、修正動議の内容について審議した上で、最終的には採決することになります。

修正動議の内容は、すでに提出されている議案である原案を前提として、これを修正したものが提案されますが、実務上、この修正の程度が問題になることがあります。修正しすぎている場合、つまり修正の範疇を超えている内容のものは、そもそも修正動議とは言えません。

修正動議として想定されている範囲を超えている動議が提出された場合には、修正動議としては認められませんから、議場に諮る必要もありません。

一方、提出された動議が修正動議の範囲内である場合には、議場に諮らなければ後に訴訟(株主総会決議取消の訴え)を起こされて、決議が取り消される可能性も生じます。

このように、株主から提出された修正動議らしいものが、本当に修正動議にあたるのか、単なる意見なのか、そもそも修正の範囲を超えているものなのか、という判断は、会社にとっても株主にとっても大変重要なものです。

その見極めの基準としては、提出された動議らしい意思表示の内容が、株主総会招集通知に記載してある議題や議案の内容から、一般の株主であれば予見できる内容であるかどうか、という基準によって判断するとよいでしょう。

・修正動議は事前に把握できない点に注意

公開会社や書面投票制·電子投票制を採用している会社の場合には、招集通知に議決権行使書面が同封されています。

招集通知を受け取った株主は、招集通知に記載されている議題や議案を見て、株主総会当日の議題や議案を把握し、自分の意思表示を議決権行使書面で示すことによって議決権を行使します。

この場合、仮にこの招集通知に記載されている議題や議案からは予見できない内容の動議が株主総会の当日に他の株主から提出され、議場に諮られた後に採決されるとなると、書面で議決権行使した株主からすれば想定外の事態ということになります。

「その修正動議が出されることがわかっていたら、株主総会に参加して詳しい内容を聞いた上で元の議案とどちらがよいか判断したのに」と思う可能性もあります。

このように、招集通知に記載されている議案の範囲を超えた動議を修正動議として扱って採決してしまうと、出席していない株主に害を与えることになるため、招集通知に記載されている議案の範囲を超えた動議は修正動議として認められていません。

議事採択の実務

採決とは

株主総会における会議の目的事項には報告事項決議事項があります。このうち、報告事項の場合には取締役等が事業報告などについての報告を行い、説明義務を果たせぱ、採決は不要とされています。

一方、決議事項として上程された議案の場合には採決が必要となります。

採決とは、議長が議案についての賛否を株主に問うことで、投票起立挙手拍手発声(「異議なし」などと議案に賛成する旨の声を出すこと)といった方法で行われます。

株主総会において採決が必要な場合とは、承認や決議を要する議案が提出されている場合や、修正動議やー部の手続的動議が提出された場合です。採決の方法としては、投票がー番確実な方法ですが、実施するには手間と時間がかかります。

一方、起立や拳手といった方法で採決を行ったとしても、賛否が明確に判明する状況であれば特に問題はないでしょう。拍手や発声の場合には、賛否の数が半々のような状況下で実施すると、その採決結果に疑間を呈される可能性があります。

ただ、委任状や書面投票などの状況から、予めその議案が承認されることがわかっているような場合には、問題なく採用することができます。

議案の採決について

採決の対象となる議案や動議については、採決に移る前に審議を十分に行う必要があります。また、取締役等が説明義務を負っている場合には、その義務を十分に果たしてからでなければ採決を行うべきではありません。

株主の質問を無視していきなり採決を行った場合には、後に訴訟を起こされてその決議が取り消されることもあるからです。したがって、議長は議案を採決する際には、まず審議が必要なものについては十分な審議が尽くされたかを確認します。

また、株主から質問がなされている場合にはその質問に対して取締役等が説明義務を果たしているかどうかを確認します。議案についての審議と質疑応答が十分になされていると判断した時には、議案の採決に移ります。

採決の方法は、どのような方法をとってもかまいませんが、判例によると、賛否が確定できることと探決のタイミングが適切であることが求められています。また、採決によって賛否が確定した場合には、議長はその数については伝える必要はありませんが、費否のいずれに確定したのかについては明確に宣言するようにします。

宣言の仕方としては、たとえば原案と修正動議案があって原案の承認が可決された場合には、「原案通り承認可決されました」などと、採決の結果がわかるように宣言します。なお、採決する議案が株主提案権の行使による場合で、その議案が否決された場合には、その採決の内訳についても把握しておく必要があります。その後のー定期間、同ーの議案が提案されるのを防ぐためです。

動議の採決方法について

動議には手続的動議修正動議があります。手続的動議については、議場に諮る必要のある動議の場合には、動議が提出された時は議場に諮り、株主の意見を確認した上で採決することになりますが、議場に諮与必要の有無が不明の動議が提出された場合、議長は、原則として議事整理権を行使し、議場に諮るかどうかを判断します。

判断の結果、議場に諮る必要があると判断した場合には議場に諮って採決ヘと移ります。逆に、議場に諮る必要がないと判断した場合には、その動議にっいて採決が必要かどうかを判断します。

採決が必要だと判断した場合には採決し、採決は不要と判断したものについては、その動議を採用するかどうかを議長自身が判断することになります。

一方、修正動議が提出された場合は、原則として議場に諮った上で採決することが必要です。審議をするときには、その案のもととなる原案と共に審議するのが合理的です。

審議を終えると採決となりますが、その前に、原案の採決を先に行うことをその理由と共に株主に説明し、株主の承認を得てから、原案の採決を行います。

原案が賛成多数で可決された場合には修正動議については否決されたものとして扱います。原案が否決された場合、修正動議の採決ヘと進むことになります。

議決権行使書面と動議について

株主が事前に議決権行使書面によって議決権を行使した場合、会社はこれを株主総会当日の決議の際に出席株主の議決権の数に含めて計算します。書面投票によって事前に議決権が行使された場合、この議決権を行使した株主は、株主総会当日に提出された修正動議については、何の判断もしていません。

したがって、原案に対して修正動議が提出された場合の書面投票については、通常の議案に対するものとは異なった取扱いをする必要があります。

まず、原案に賛成している場合には、修正動議に対しても賛成しているということはあり得ないので、原案には賛成し、修正動議案に対しては反対したものとして取り扱います。

次に原案に反対している場合には、原案に対しては反対しているものとして取り扱います。だからといって、修正動議案について賛成しているという判断は下せません。現実として、その株主が議決権を行使したときには修正動議案は存在していなかったのですから、その株主はこの修正動議案にっいて何も判断を下していないことになります。

したがって、その株主が修正動議案に賛成なのか反対なのか、会社は判断できません。このため、原案に反対している議決権行使書面は、修正動議案に対しては、棄権したものとして取り扱われることとなります。

いかがでしたでしょうか。コーポレートガバナンスに対する社会的な注目も高まる中で、上場企業に限らず、ベンチャーを含む非上場企業でもIRやSRの考え方は広がっており、特に株主総会の実務は非常に重要な役割を担っています。

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