IR担当者が押さえておきたい、株主総会招集の実務

  • 2018.10.18
  • IR
IR担当者が押さえておきたい、株主総会招集の実務

株主総会の招集実務の概要

どんな場合に、誰が、どのように招集するのか

通常、株主総会は取締役が招集します。その会社が取締役会設置会社の場合には、取締役会における決定に従って予め定款に定められている取締役が招集します。たいていの会社では代表取締役が招集権者として定められています。

ただ、少数株主は、総会の目的招集の理由を記載した書面を取締役に提出して招集請求することができます。

この場合の少数株主とは、総株主の議決権100分の3以上の議決権を有する株主のことです(公開会社の場合は、株式の保有期間が6か月という要件が加わる)。

この保有する株式の割合については、複数の株主で満たすこともできます。少数株主が招集請求をしても、取締役が株主総会の招集をしなかったような場合は、請求した株主が裁判所の許可を得て総会を招集することもできます。

なお、株式会社あるいは総株主の議決権の100分の1以上の議決権を有する株主は、株主総会の招集手続き・決議の方法を調査させるために、その株主総会が開催される前に、裁判所に対して株主総会検査役の選任の申立てをすることができます。

選任された株主総会検査役は、調査結果を書面か電磁的記録に記録し、これを裁判所に提供·報告しなければなりません。この報告を受けた裁判所は、必要に応じてその会社の取締役に対して株主総会の招集を命じる場合もあります。

このように、株主総会の招集は原則として取締役や代表取締役が行いますが、場合によっては少数株主からの請求や裁判所からの命令によって行われることもあります。

開催場所について

株主総会を開催する場所については、会社法上特に制限はありません。たとえば、本店(本社)が東京にある会社が大阪で株主総会を開催することもできます。また、株主総会の開催場所を予め定款で限定しておくこともできます。

とはいえ、いつもは神戸で開催されていたにも関わらず、ある時突然何の脈略もなく仙台で開催すると言われた場合、株主としても簡単には参加できないでしょう。

このように、その会社が過去に株主総会を開催した場所と著しく異なる場所で開催する場合には、その場所を選んだ理由を招集通知に記載しなければなりません。

合理的な理由がない場合には、株主総会で決定した事項が取り消されてしまうこともあります。

ただし、その聞催場所が定款で定められているとき、開催場所について株主総会に出席しない株主全員の同意があるときには、招集通知に理由を記載しなくてもかまいません。

なお、実際に株主総会の会場を選ぶ際には、参加人数に合うスペースを確保できる会場を用意する必要があります。

招集時期・開催場所について

株主総会の開前日は、原則としてその会社の取締役が決めます。取締役会設置会社の場合には取締役会で決めます。定時株主総会の場合には、たいていの会社は基準日との関係上、その事業年度の終了後、一定の時期(3ヵ月以内)に招集します。一方、臨時株主総会の場合には、特に各事業部との決算との関係もありませんから、必要に応じて随時開催されます。

ただ、定時株主総会でも臨時株主総会でも株式総会を開催する場合には、株主に出席する機会と準備する時間を与える必要があります。このため、非公開会社で書面投票、電子投票制度を採用していない場合には、開催予定日の1週間前公開会社の場合は2週間前までに招集通知を送付する必要があります。

開催日が集中することもある

特定の会社と通じ合って株主総会をその会社と同じ日に開催したり、ある株主を排除する目的で特定の日に株主総会を開催したようなときには、場合によっては違法となります。

なお、集中日とは、株主総会の「開催が集中する日のことで、例年多くの会社が6月末日に株主総会を開催しています。また集中日に開催した理由を問われるケースも増えてきているため、集中日の開催を検討している場合には、注意する必要があります。

会社が開かれた株主総会の開催をめざすためには、より多くの株主に総会に出席してもらい、審議を尽くした上で決議を重ね、無事閉会を迎えるように手続きを進めなければなりません。

そのためには、出席できない株主を減らす工夫も必要です。実務上、どうしても6月末日に株主総会の開催日が集中して合うしまうのはやむを得ないことかもしれません。それでも、事務処理を効率化して事前準備の経験を重ねていくことで、集中日よりも前に株主総会を開催することは十分可能です。

集中日以外の日に株主総会を開催することができれば、複数の会社の株主でも総会に出席できる可能性は高くなりますから、なるべく他社とは異なる日に株主総会を開催するようにしましょう。

招集通知と発送時期

株主総会の開催日と場所が決まると、法律で定められた期間内に株主に対して招集通知を出しますが、その招集通知には以下の事項を記載します。

株主総会の日時·場所

株主総会の目的である事項

書面により議決権を行使できる場合には、その旨

電子的方法により議決権を行使できる場合には、その旨

その他法務省令(会社法施行規則)で定められている事項

なお、すべての株主が株主総会の開催に同意した場合には、招集手続きは不要とされています。

いかがでしたでしょうか。コーポレートガバナンスに対する社会的な注目も高まる中で、上場企業に限らず、ベンチャーを含む非上場企業でもIRやSRの考え方は広がっており、特に株主総会の実務は非常に重要な役割を担っています。

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