起業家が知っておくべき、株主総会を書面で完結させる制度とは

  • 2018.11.04
  • IR
起業家が知っておくべき、株主総会を書面で完結させる制度とは

<はじめに>

株主総会は企業を健全に経営する上でも非常に重要な役割を果たしますが、これは必ず行わなければならないというわけではないのはご存知でしょうか。株主総会は一定の条件の元では書面による決議によって省略することが可能です。今回は株主総会を開催したとみなす制度について説明します。

株主総会における書面決議とは

株主総会の目的である事項について、取締役や株主が提案をした場合には、株主総会を開催して議題としてとりあげ、決議するのが原則です。しかし、株主総会の目的事項について提案がなされ、その提案について全株主の同意を示す書面やデータがあれば、株主総会の決議がなされたものとみなすことができる、という制度が用意されています。

このように、株主総会そのものを開催せずに書面による決議だけで済ませてしまう方法を、書面決議(みなし株主総会)と言います。書面決議によって株主総会の開催を省略するためには株主に提案書を送付し、書面やメールといった方法により全株主が同意することが必要です。

株主によって賛否が分かれている場合には、書面決議によって株主総会の決議があったものとみなすことはできません。

このように、書面決議は、株主間に意見の食い違いがなく、そのことをお互いにわかっているのにわざわざ株主総会を開催するのはムダだ、という場合に利用される制度です。非公開会社で株主が数人しかいない場合やー人の株主が全株式を保有しているような場合、いちいち株主総会を開いて決議するよりも決議を省略したほうが迅速かつ経済的と言えます。

なお、決議省略がなされ、株主総会決議があったものとみなされた場合、そのみなされた時点を株主総会の終結とします。

報告事項の報告も省略できる

株式会社の取締役は、原則として定時株主総会に事業報告を提出した上で、その内容を株主に報告しなければなりません。

しかし、書面決議によって株主総会を省略できるような会社の場合には、すでに全株主が報告事項の内容を承知している場合がほとんどです。

このような会社が、株主総会を省略してムダを省いたにも関わらず、結局、報告事項の報告のためだけに別途、株主総会を開催しなければならないとすると、時間的にも費用的にもかなりのムダとなります。

そのため、書面決議を行う場合には報告事項についても省略することができる制度が用意されています。報告事項を省略するには、取締役が全株主に対して株主総会に報告しなければならない事項を通知し、報告事項の内容を報告する必要がないことについて全株主が同意する必要があります。

報告が不要であることについて、全株主の同意があれば、報告事項を報告したものとみなされます。このように、書面決議を行うと、株主総会を省略することはできますが、総会後に作成が義務付けられている株主総会議事録については、その作成を省略することはできません

いかがでしたでしょうか。コーポレートガバナンスに対する社会的な注目も高まる中で、上場企業に限らず、ベンチャーを含む非上場企業でもIRやSRの考え方は広がっており、特に株主総会の実務は非常に重要な役割を担っています。

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