今回はPMについて学ぶ上で初めの一歩となるプロジェクトの定義について書いていきます。

PROJECT (プロジェクト)の意味とは?

PROJECTの日本語訳は何でしょうか? 多くの人が「プロジェクト」とそのまま日本語訳するでしょう。皆さんも学校などの英語の授業で習ったかもしれませんが、実はこのPROJECTという単語自体に意味が込められています。英単語はPrefix、Suffix、Roots などのパーツの組み合わせで構成されていることが多く、それぞれのパーツに意味が込められています。

例えばPROJECTのPROは「前に、前方に」、JECTは「投じる、投げる」意味が込められています。仕事で言えば、まさに前にある未来の目標に向かってアクションを投じていく姿そのものがPROJECTの単語に込められています。プロジェクトとは「プロジェクトの目的を達成するために実施される、開始日と終了日を持つ調整されかつコントロールされたアクティビティで構成されるプロセスの独自の集合」(ISO21500:2012)です。

もう少し単純化して説明すると、プロジェクトとは「独自の目的·目標を設定し、それを期限までに達市させる一連の活動」です。ここで重要な要素が「独自の目的·目標」と「期限」です。「独自の目的·目標」とは「過去に1つでも経験したことのない要素が含まれている目的や目標」です。

「期限」とは「開始日と終了日」が明確になっていることです。この2つの要素がある活動や仕事は、基本的にプロジェクトと位置付けられます。たとえ、仕事や活動の名称に「○○プロジェクト」と「プロジェクト」の軍語が入っていなかったとしても、「独自の目的·目標」と「期限」という要素か入っていれば、それはプロジェクトであり、本書で紹介する様々な知識と技術を利用できます。

プロジェクトをやったことがない人はいない?

基本お仕事や組織の活働で「私はプロジェクトを経験したことがないから自信がない」などといわれる人がいます。しかし、実は多くの人はプロジェクトをすでに経験しています。「独自の目的·目標」と「期限」がある活動や仕事は「プロジェクト」です。

仕事以外のプライベート活動でもプロジェクトは多く存在例えば、就職活動もプロジェクトと考えられます。今まで就職活動をやったことのない場合、「就職」は「独自の目的·目標」になりますし、就職という目的·目標の達成期限も決まっています。学校での試験や受験もプロジェクトと考えられます。試験や受験はその時々で内容や状況、環境も異なりますし、目身が達成したい点数や結果も考えスと「独自の目的,目標」です。さらに試験や受験には試験日や受験日などの「期限」が明確に設定されています。その他、引越やパーティー、結婚式、登山、旅行など皆さんの周りにはプロジェクトの活動が多く存在しています。

組織での活動や仕事でのプロジェクトでは未来の目的·目標を期限までに達成させる責任やプレッシャーがあるかもしれません。しかし、多くの皆さんは、大なり小なり何かしらのプロジェクト活動を経験しています。自信を持って未来の目的·目標達成のために活動しましょう。プロジェクトとルーティンワークの決定的違いとは?企業や組織が事業を運営するために重要な活動は2つあります。ひとつは「プロジェクト」もうひとつは「定常·継続業務」です。

プロジェクトとは「独自の目的·目標」と「期限」がある活動であるとお伝えしました。つまり、プロジェクトとは独自の目的·目標を期限までに達成することで新しい価値を生み出す活動です。一方で定常·継続業務は定められた活動内容を安定的に継続し価値を生み出す活動です。プロジェクトがone-time work(1度きりの仕事)なのに対し、定常·継続業務はroutine work(ルーティンワーク:繰り返し·反復の仕事)ともいわれます。企業や組織は、プロジェクトと定常·継続業務の2つの活動で価値をみ出し、世の中にその価値を提供しています。

このように、プロジェクトと定常,継続業務は活動の性質が異なります。したがって、プロジェクトと定常·継続業務はマネジメントの手法が異なります。独自の目的·目標を期限までに達成させる活動に特化したマネジメント手法が、「プロジェクトマネジメント」です。

企業や組織でのプロジエクトの位置付けを見ていきましよう。一般的な企業や組織では、企業や組織全体の戦略や計画を立てて運営しています。これらの戦略を「企業戦略」といいます。この内容をまとめたものが経営計画や経営戦略企画書、経営方針書などの骨子になります。この企業戦略が企業や組織内の事業部門などに展開され、各事業部門はそれぞれの事業部門に特化した戦略や計画を立てて事業を運営します。これらの戦略を事業戦略または競争戦略といいます。この内容をまとめたものが事業計画や事業戦略企画書などと呼ばれています。

この事業計画の中に、独自の目標を期限までに達成させる活動も含まれます。これがプロジエクト化されプロジエクトの活動となります(企業計画から直接プロジエクト化されるものもあります)。例えば新規事業開発、新製品開発、既存定常·継続業務のカイゼン、新規·既存のお客様に対する新たな製品。サービス提供などです。プロジエクトで生み出された新しい製品·サービス等の価値は、定常·継続業務に引き継がれ、定常·継続業務にて安定的かつ継続的に運営され価値を生み出し続けていきます。

この流れが、企業や組織の中で戦略を実行に移す単純化した流れです。企業や組織は常に外部環境の変化(市場の変化や競争相手の変化)に対応していなければなりません。外部環境の変化に合わせ、内部環境(企業内部の体制·管理手法·製品·サービスなど)を変化させなければなりません。その戦略を実現させる活動こそプロジェクトの活動なのです。