プロジェクト憲章とは?〜プロジェクト立ち上げの第一歩〜 #2

  • 2020.02.22
  • PM
プロジェクト憲章とは?〜プロジェクト立ち上げの第一歩〜 #2

前回の記事 https://financewalker.jp/?p=1881 の続きとなります。プロジェクト憲章について今回も学んでいきます。

プロジェクト憲章

11.予算

プロジェクトを完了させるまでの予算を明確にします。この予算支出が会社や組織に大きなインパクトを与えるものであれば、何月に何に対してどのくらいの支出があるのかなどの支出スケジュールをまとめる場合もあります。さらに、会社や組織によっては、予算の内訳を経理上の勘定科目で明確にしたり、固定費や変動費に分けて明確にしたりすることもあります。

12.主要リスク

プロジェクトで発生する可能性がある主要リスクを記載します。本書のリスクに関する項目で詳しく説明しますが、リスクとは「不確実性」であり、ネガティブなリスク(脅威)の他にポジティブなリスク(好機)も含まれます。例えば「抹茶アイスクリームを開発·販売する」プロジェクトの場合、なにかの要因により想定よりも売れないという脅威のリスクと、何かの要因により想定よりも売れるという好機のリスクがあります。プロジェクト憲章では、脅威のリスクと好機のリスクの双方を記載します。プロジェクトを承認するまたはプロジェクトへ投資をする意思決定者が、脅威のリスクと好機のリスク双方のバランスを見て、意思決定できるようにしましょう。

13. プロジェクト組織

当プロジェクトをどのような体制で進めるのかを明確にします。企業や組織のように組織図で役割や体制を明確にする場合や、プロジェクトに直接的に関与する人々のリストを作成し役割や体制を明確にする場合などがあります。

14.役割/責任/権限

プロジェクト組織の各役割について明確にします。役割名、役割の説明、役割の責任、権限を記載します。この段階でプロジェクトマネージャの選任と、プロジェクトマネージャとなる役割の説明、責任、権限の明示が重要になります。今後、プロジェクトマネージャはあらゆるプロジェクトの計画や実行、そし任を全うするために、どのような権限が必要かを明確にしましょう。特に経営資源であるヒト·モノ.カネ·ジョウホウ·ジカンの5つの分野でどこまでの権限があるのかを明確にしてください。

15. 主要ステークホルダー

プロジェクトのステークホルダー(個人または組織)を明確にします。そして各ステークホルダーの当プロジェクトへの公式な「関心事項」を明確にします。例えば、「抹茶アイスクリームを開発·販売する」プロジェクトの場合、マーケティングを担う人または組織は新製品発売により売上を伸ばす、品質管理を担う人または組織は法令順守、新製品の安心·安全など、ステークホルダーにより公式な関心事項は異なります。

16.変更コントロール

プロジェクトが進むと、プロジェクト憲章やプロジェクト計画で今後第定する様々な計画書を変更せざるを得ない場合があります。これらの変更は、どのような事象がどのぐらいのレベルで発生した際に、誰(個人、グループ、組織)が、いつ、どのようなプロセスで決裁し、その場(会議など)は誰が参加するのか、どのような決裁ルールで決裁するかなど、その手順やルールを明確にしましょう。なお、特定のレベルまでの変更がプロジェクトマネージャの権限で決裁できるようにする場合は、「役割/責任/権限」の項目でプロジェクトマネージャの変更コントロール権限を記載し、この項目でも詳細な内容を記載することをお勧めします。

17.その他取決事項

企業や組織でプロジェクト運営を行うにあたり、事前に承認を受けておくべき情報、ルールなどがあればプロジェクト憲章にて承認を受けておきましょう。

18.付録/附属書

プロジェクト憲章に記載されている内容をサポートする資料類を付録としてつける場合があります。例えば、既述のビジネスニーズやビジネスケースなどの詳細資料として、プロジェクト憲章作成前に作成されている企画書や顧客との契約書などを付録として添付しておけば、プロジェクト憲章内の記述に「付録(A) P.12参照」などと記載し、記載事項の根拠や詳細情報を明示することができます。これら付録、附属書のリストを記載します。プロジェクトによっては専門用語が多く使われる場合や多くの外部企業とプロジェクトを進めていく時に自組織内用語がコミュニケーションの障害になることもあります。その場合は用語集などを付録につける場合もあります。

19.承認

プロジェクト憲章はしかるべき決裁者の承認が必要になります。一般的にはプロジェクトスポンサーの承認が最低限必要になります。他の事例としては、主要なステークホルダーからも承認を受け、主要ステークホルダーとプロジェクト憲章の内容を合意の上、プロジェクトを進めていくこともあります。例えば、組織内から適切な人材を調達する場合、しかるべき責任のあるラインマネージャと合意したり、マイルストーンにてプロジェクトの進捗や成果物をチェックするレビューコミッティーやステアリングコミッティー、プロジェクト計画や実行時にプロジェクトおよび成果物の変更をコントロールする変更管理委員会などの委員会の代表とも合意したりする場合もあります。プロジェクト憲章の承認を受けると、プロジェクトは組織内で公式なプロジェクトとなり、この承認日がプロジェクトの正式なスタートとなります。

20. 改定履歴

プロジェクト憲章は一度作成したら永久に変更しないものではありません。計画を実行に移した際に計画と現実の違いが明らかになるかもしれませんし、今後の計画時に詳細まで計画することで新たな事実が明らかになるかもしれません。プロジェクトマネージャは計画に則すようにプロジェクトを進めますが、事象によっては目的、目標、計画などを変更しなければならない場合もあります。この場合、変更を承認する委員会や個人と交渉し、変更承認を受けることで、あらゆる文書を改定することができます。プロジエクト憲章もその文書のひとつです。したがって、改定履歷の項目を設け、バージョン情報、改定日、作成者、変更内容などを明確にし、最新のプロジェクト憲章はどれなのかを議別できるようにしておきましよう

 

以上が2記事にわたってのプロジェクト憲章についてでした。プロジェクト憲章について必須事項を理解していただけたでしょうか。プロジェクトが進むに連れて基盤となるプロジェクト憲章の重要性は上がっていきます。はじめのプロジェクト憲章策定のフェーズはある意味最重要とも言えるでしょう。

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