PMにとってのプロジェクト計画

  • 2020.03.14
  • PM
PMにとってのプロジェクト計画

今回の記事はプロジェクトの計画についてです。プロジェクトが走り出した後に起こる障害にできる限り予め対策をしておきます。どうぞご一読ください。

計画の重要性

段取り八分とは?

皆さんは「段取り八分」という言葉をご存じでしょうか。昔から、段取りをしっかりとしておけば、その仕事の大半を占める8割は完了しているのも同然という意味で、この言葉が使われてきました。プロジェクトマネジメントでいえば「計画」という下準備にあたります。確かに、プロジェクトの計画ではプロジェクトマネージャの稼働が集中してとても忙しくなります。

しかし忙しいからといってプロジェクト計画が大雑把になると、どうなるか皆さんもおわかりですよね?プロジェクトのスケジュールが遅延する、コストがオーバーする、作業工数。に抜けもれがある、プロジェクトチームメンバーのコミュニケーションが混乱するなど、プロジェクト実行中に様々な障害をもたらします。プロジェクト実行中に様々な障害が出るとどうなるでしょうか、そうです、プロジェクト実行中もプロジェクトマネージャはバタバタとしなければならなくなります。

プロジェクト計画での知識や技術の多くには、見えないものを「可視化」する知識や技術が含まれています。「可視化」することで、未来の活動に対して頭の中でシミュレーションができるとともに、ステークホルダーとの意思疎通をしながら計画を進めやすくなります。

プロジェクト計画でプロジェクトマネージャは多くの労力を使いますが、目的·目標設定が大雑把であれば、その後の計画も大雑把になってきます。明確な目的·目標設定こそ計画を高度化させる基本となります。

ファシリテーションの重要性 ―計画の前に―

「ファシリテーション」という言葉を聞いたことがありますか? 単純化させると、ファシリテーションは、会議などで参加者の議論や参加を促し議論を活性化させたり、議論の内容を整理したり、議論の場における合意形成を支援したりする活動や行動、能力を指します。また、会議などのアレンジや議論の進行ルールの策定もファシリテーションに含まれるといわれています。プロジェクトの計画の様々な場面において、プロジェクトマネージャにはファシリテーションが求められます。

プロジェクトが大きくなり複雑化するにつれて、目標達成に必要な活動の専門知識は高度化、詳細化し、プロジェクトマネージャとなる皆さんが知っている特定分野の専門知識だけでは対処ができなくなってきます。しかし、その中でも様々なステークホルダーの要求事項を聞き、各種計画を行っていかなければなりません。目標達成に必要な各分野の専門家や有識者の意見を聞き出し、議論をリードし、合意形成をしていくことが極めて重要な能力となってきます。

知らない専門知識を自ら学ぶことは大変重要なことですが、残念ながらプロジェクト活動には期限があります。信用できる専門家や有識者を巻き込み議論をファシリテートする能力を身につけましょう。その際、専門知識がないからといって自信をなくさないでください。

プロジェクトマネージャの皆さんは、どの業種業態でも共通の「プロジェクトマネジメントのプロセス」を実行する担当です。逆にプロジェクトマネジメントのプロセスに責任を持つ者として、プロジェクト成功のために、わからない単語や内容は積極的に質問し、有識者や専門家の判断に対しては「なぜ」その判断をしたのか、合理的な思考で判断しているのかをチェックしていきましょう。

ステークホルダーの要求事項を収集しよう

プロジェクト憲章やステークホルダー登録簿が明確になったからといってプロジェクトマネージャが独断で、プロジェクトによって生み出される製品やサービスなどの成果物やプロジェクトの進め方を計画してはいけません。各ステークホルダーには製品やサービスの仕様や作業内容、プロジェクトの進め方に対して「要求事項」があります。

これらの要求事項を満足させる製品やサービスを生み出せない、またはプロジェクト活動が実行できない場合、ステークホルダーは「こんなはずではなかった」「なぜこうなるんだ」とプロジェクトの停止や作業のやり直しの要因になりかねません。最終的にはプロジェートの成功に影響を与えてしまいます。要求事項は2つに大きく分かれます。

プロジェクトによって生み出される製品やサービスに対する要求事項と、プロジェクトの進め方に対する要求事崎で製品やサービスの詳細に関心の高いステークホルダーは、製品やサービスに対する要求事項が多くあります。

例えば、製品の機能·性能的要求、セキュリティ要求、デザイン要求、使用する技術や方式など様々なものがあります。一方で製品やサービスの詳細ではなく、そもそもこのプロジェクト自体やプロジェクトマネジメントの進め方に関心の高いステークホルダーの要求事項もあります。

例えば、プロジェクト憲章で明確にしたビジネスニーズやビジネスケース達成の要求事項、納期や予算に関する要求事項、プロジェクトマネジメント手法に関する要求事項など様々です。これらの要求事項を聞き出す作業から計画は始まります。各ステークホルダーの要求事項を聞き出し、それらを文書としてまとめておきましょう。

要求事項の収集で重要な「優先順位付け」「明確化」

ステークホルダーの要求事項収集で最低限行うべき重要なポイントをお伝えします。要求事項を収集すると、各ステークホルダーは自身の要求事項を満足させるために数多くの要求事項を伝えてくることがあります。しかし、プロジェクトマネージャにはプロジェクトで利用できる様々なリソース、コスト、時間が決まっています(これらも要求事項です)。

各ステークホルダーの全ての要求事項を叶えることは現実的に難しいのです。したがって、ステークホルダーの要求事項を調整しながら収集していきます。優先順位付けは、ステークホルダーの各要求事項がMust(必須)、Should(すべきこと)、Could (可能であれば)、Won’t(不要)なのかを確認し調整しながら収集していきます。また、これらを文書に記録しておきましょう。

次に、重要なポイントとして「明確化」が挙げられます。要求事項は極力6W2Hを明確にし、さらに数値で明確にしておきましょう。これは相互の認識の翻語を防止するために役立ちます。

要求事項の意思決定ルールを明確にしておこう

要求事項の「優先順位付け」などを経て、プロジェクトマネージャがステークホルダーの要求事項を調整したとしても、それでもまだ利害関係が衝突する場合があります。その時のために、要求事項の意思決定ルールを明確にしおくことをお勧めします。

要求事項の利害関係の衝突があった場合、誰が(個人やグループ、組織)要求事項の優先を決裁し、その決裁で用いる手法は何を利用し、どの段階でその意思決定をするのか、またその場には誰が参加するのかを明確にすることで決裁する個人やグループ、組織はレビューコミッティーメンバー、ステアリングコミッティーメンバー、プロジェクトスポンサーなど具体的な個人やグループ、組織を明確にしましょう。

決裁手法としては、多数決や全会一致、過半数や独断など決裁ルールを明確にすることが必要です。そしてその決裁の場にはマーケティング担当、開発担当、顧客が参加など、具体的にステークホルダーの参加者を決めておきましょう。事前にプロジェクト憲章に、この意思決定ルールを記載し承認を受けるのもひとつの方法です。

なお、このような要求事項の優先順位を決裁する場では、どうしてもステークホルダー個別の要求事項や利害関係に話がフォーカスしがちです。しかし、その場合には今一度プロジェクトの目的や目標である「プロジェクト憲章」に立ち返ることを忘れないでください。

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