ユーザビリティ、直訳して操作性・使いやすさ。UIにおいては画面の使い勝手や見栄えなどを含みますが開発する際にはどの程度情報を載せるか、レスポンスの早さなどをできるだけ明確化しなければ開発は始められません。この記事ではそのユーザビリティを明確化するための、考え方・手法を紹介しています。

ユーザビリティ要件の明確化

ユーザビリティの明確化の目的改めて「ユーザビリティ」について考えてみます。情報システムにおけるユーザビリティとは、画面UIの使い勝手を指しています。これは前項で説明した非機能要件の一つに分類されます。

上の表の3行目【分類】使い手の各項を明確化することが、今回の目的です。今回は「使い手側」の論理、真のお客様視点でUIを再整理し、ユーザビリティの観点から必要なUIを明確化します。

画面遷移を含めてユーザビリティを高めるべく、きちんと時間をかけて検討することは、システムの価値を高める上で充分に価値のある作業です。

「わかりやすく」「速い」こと

特にコンシューマー向け Webシステムでは、「わかりやすく」「速い」ことが重要です。「速い」はユーザビリティではなくレスポンスの話ですが、使い勝手を考えると無視するわけにはいきません。この2つが両立できてはじめて「良いシステム」となります。

このユーザビリティの明確化において、上記の両立を意識したUIを検討する必要があります。時には妥協が必要かもしれません。例えば、1ページに情報を集約して一覧性を重視するよりも、読み込みスピードを優先して、複数ページに情報を分割すべきかもしれません。

一つ言えることは、UIについては、より「シンプルに考える」方が、両立が可能になるということです。一度、できるところまでシンプルに、余計なものを全部削ぎ落としてみるくらいの気概が必要である、と筆者は考えています。

最近のUIトレンド

コンシューマー向けシステムでは、昨今スマートフォンの普及が加速し、SNSの影響からか「縦」位置の画面が標準になりつつあります。PCなど横長の画面に慣れていた文化が変わりつつあり(というより年齢層の違いかもしれません)、今後ユーザビリティを検討する際には、当然のこととして縦長の画面を考慮しなければなりません。

また、同じくスマートフォン(特にiPhone)の普及に伴い、ユーザーは心地よく操作できることを当たり前のものとして求めるようになりました。指に吸い付く上に両面遷務できることが当然と思っています。そうした世の中の「当たり前」を頭に入れた上で、ユーザビリティを考える必要があります。

一方、エンタープライズ系(企業向け)システムでは従来、コンシューマー向けシステムと比べて、求められるユーザビリティのレベルは低いと言われてきましたし、筆者も同意見でした。ところが状況は変わりつつあります。「働きやすさ」が企業組織の指針になり、優秀な人員確保の条件になっています。

また、社内に閉じられていたシステムを、社外スタッフに開放する機会も増えています。業務を支援する機能を実現する手段であるUIも、これらの変化を受け止める必要に迫られています。機能によっては一時期の「チープなUI」では通用しなくなったのです。「働きやすさ」を支援する「使いやすさ」とともに、さらなる効率性が求められています。

しかも、従来従業員しか触れなかったシステムを、一般のお客様が操作するようになりました。コンシューマー向けシステムとエンタープライズ系システムの境界線がどんどん暖味になりつつある今、改めてエンタープライズ系システムがューザビリティと向き合うべき時が来たと言えるでしょう。

この記事の簡易的な手順をUIの「決め手」〜ユーザビリティとは〜#2で紹介しています。そちらもどうぞご覧ください。